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都会の秘境へー激闘

 私たちは新開地まで行き、そこから藍那へと行った。藍那は地図では分かってはいたものの、それでも本当に神戸か疑うほど綺麗な田舎の集落だった。

「自然や!」

元山さんは叫んだ。

「ちょっと、何しに来たんか分かってるん?まあうちも川に入りたいけど・・・」

音雨さんは言った。みんな大自然に喜んでいるようだ。橋本に至っては森の中でぎこちない踊りをしている。

「でもなんもないしさっさと行こうや。」

と奥村さんが言った。当然だがそわそわしていた。私たちはそのポイントへと向かった。

 「なんやここ、森の中やで?しかもめっちゃ虫多いやん‼︎」

音雨さんが言った。

「森の中だから虫はしょうがないわ。にしても何もないし誰もいないな・・・」

と奥村さんが返した。

「お腹空いたよおぉお。ピザ誰か持ってないぃい?」

と光輝さんが言った。

「おまえニ時間前にグラタン三杯食ったところやろ。」

橋本がポォン‼︎と大きな音で光輝さんのお腹を叩きながら言った。その時だ。

 ズッガーン‼︎

轟音で銃声が鳴り響いた。銃声を聞いたことがあるわけではないので分からないが、直感で拳銃のような軽いものではないと思った。弾丸は光輝さんの頭上ギリギリを通り、背後の木に煙を出しながら穴を開けた。

「伏せろ‼︎」

元山さんが叫んだ。

 ズッガーン‼︎

今度は伏せたおかげか、見当違いな方向に行ったようだ。

「下へ移動するぞ。」

元山さんは小声で言った。私たちは坂を少し下った所にある大きな岩の後ろに隠れた。

「ごめん・・・ボクがこんなことしたばっかに。」

奥村さんが小声で言った。

「こんなこと分かりきってたことやって。」

音雨さんが返した。

「あいつらですよね・・・?」

私は山の上の方を指しながら言った。インド系の顔立ちをした男が二人歩いていた。手に持っているのは・・・鉄パイプ?手作り銃のように思えた。

「だろうな。」

元山さんが返した。

「やっぱ外人は価値観が違う。」

と橋本が言った。その場にいた皆がどの口が言ってるねんと言わんばかりに橋本の方を向いた。

「やばいこっちに来とるやん・・・どうするよ。」

元山さんが言った。皆が震えた。

 男のうち一人がこちらの岩まで三メートルくらいまで近づいた時、ふと男の方からいい匂いがした。その時だ。

「ピッッッッッツァァァァァアア‼︎」

腹が減り過ぎて耐えきれなくなった光輝さんが近づいてきた男に襲いかかった。男は狼狽え、銃は撃ったものの明後日の方向へ飛んでいった。

「今やな。」

そう言うや否や、元山さんは飛び出し、男が放棄した銃を拾った。そして奇声と銃声を聞いて駆けつけてきたもう一人の男の背後に回り、その銃で殴りつけた。

「よし、これで良いな。野田‼︎ナイスゥ‼︎」

元山さんが言った。どこから持ってきたか分からないロープを使って、男二人を縛りつけた。銃身を叩きながら、元山さんは男二人にこう詰めた。

「何をしようとした?誰の指示や?どっから来た?答えんかい!」

普段はあまり怖くないのだが、その長身のガタイから敢えて発せられる威圧感は半端なものではなかった。

「こいつら価値観違うから日本語通じんやろ?」

橋本がぼそっと言った。

「お前は黙れ。」

元山さんにあっけなく返された。

「ワタシタチハ、スズランダイカラキマシタァ。エエト、コノォ、カラオケカラキマシタア。オユルシヲクダサイィ‼︎」

わざとらしく男たちは泣きながら言った。男たちがあっさりと言ったのをその場にいた全員が不審がったが、拘束し続ける理由もないので銃もスマホも奪った状態で解き放った。日はもう落ちようとしていた。

「今から鈴蘭台に行くんですか?」

私は聞いた。

「流石に今度でええんやない。とりあえず帰ろう。」

音雨さんが言った。

「どうやってこの銃持って帰るん?」

奥村さんが言った。

「え、こいつのお腹に突っ込んだらええやん。」

男たちから奪ったピザを食べている光輝さんの腹を叩いた。

「危ないやん、アホなん?」

と音雨さん。

「まーでもそれくらいしか方法ないよな・・・万が一暴発した時のために銃口は下向きにしとけ。」

と元山さんが返した。こうして私達は帰った。

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