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ねこ日和 Ⅱ  作者: おりさくみづき
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Ⅱ-4 新築アパート

月日は経ち、リュウは2歳になりました。

そんなある日の出来事です。


彼氏が突然我が家にやってきました。

「久美ちゃん、新築のアパート見つけたんだけど、ここのアパート引っ越さない?」


何を言い出すのかと思いました。

「あたしは別にこのアパートでいいよ。リュウも一緒だし。家賃も安いし」


「だって、お風呂ないじゃん?新築はお風呂あるんだよ?」

「でもリュウはどうなるの?飼えないでしょ?」


「実はもう申し込んで来ちゃったんだ!」

「えーー?!あたし高い家賃なんて払えないよ?」


「俺が、毎月お金渡すから、それで払えるよ。だから大丈夫だよ!」

「でも、リュウはどうなるのー?!」


その当時、彼氏はもう社会人で働いていました。

自宅から仕事に通っていたので、かなりお金には不自由しなかったのです。


しかし、リュウの事は考えてくれていませんでした。

私は別にお風呂屋さん通いをするのは嫌いではありませんでした。


むしろ楽しんでいました。

近所には3件のお風呂屋さんがあり、その日の気分で行くお風呂屋さんを決めていました。


私はリュウと楽しく生活できればそれて良かったのです。

新築のアパートなど、どうでも良かったのです。


新築のアパートはまだ建てている途中でした。

入居者募集中だったのです。


私は引っ越すのが嫌でした。

リュウと一緒に暮らせなくなるかも知れなかったからです。


彼氏にその事を話しました。

そして、その新築物件を管理している不動産屋に行き事情を説明する事にしました。


すると不動産屋の店主はこう話し始めました。

「この話は一応聞いておきますが、新築アパートのオーナーには黙っておきます。ですから、オーナーに猫が見つからない様に飼ってください。もし、見つかった場合は、猫は処分して貰います」


そう、言われました。

かなり危ない賭けです。


借りる予定の部屋は角部屋で、出窓がある部屋でした。

その出窓が、問題でした。


新築アパートは完成して、とうとう引っ越す事になってしまいました。

あの思い出の沢山詰まった6畳と4畳半のキッチンのお部屋とはさよならです。


私の弟と、彼氏の弟に引越しの手伝いをしてもらい、無事に引越しは終わりました。

リュウと一緒に、新しい我が家へと引っ越してきました。


どうか、リュウがオーナーに見つかりません様に…。

そう、神様に祈るしかありませんでした。


流石に新築アパートは綺麗で、トイレも洋式でお風呂とは別でした。

部屋は6畳でしたが洋間の6畳で少し狭い部屋でした。


キッチンは縦長で使いにくいものでした。

部屋全体が、前の家よりも狭いものでした。


日当たりだけが良かったのです。

リュウは出窓でよく日向ぼっこをしていました。


この出窓での日向ぼっこが命取りとなりました。

たまたま、新築のアパートを見に来ていたオーナーに、リュウが見つかってしまったのです!!


不動産屋から電話がありました。

不動産屋が言うには、こうでした。


「オーナーは大変激怒したらしく、猫を処分させるか、住人を引越しさせるか、そのどちらかにしろ!」

と、言ってきたらしいのです。


やはり来たか…。と、私は思いました。

彼氏の話に乗るんじゃ無かった。


そう心の底から後悔しました。

彼氏はリュウの事など考えていなかったのですから。


私は彼氏に言いました。

「アンタのせいでリュウはどこにも預ける所が無くなったんだからね!!このままじゃ、保健所連れて行くしかないじゃん!!どうしてくれるのよ!!」


そう彼氏に話しても、彼は何も言いませんでした。

なんて、いい加減なヤツ!!


私は彼を殴ってやりたい程腹がたっていました。

「もう、帰ってよ!!もう、二度と来ないで!!」


そう、私は彼に言い、彼は私の家から出て行きました。

私はリュウを抱っこして、ぎゅーと抱きしめました。


そうするとリュウは「おかあしゃん、どうしたにゃ?」というように「にゃぁ~!」と鳴くのです。

この子を保健所に連れていかなくてはいけないのか?


そう考えただけで、リュウの顔が涙で二重に見えてきてどうしようもありませんでした。


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