Ⅱ-3 初めての雪
この年は大雪がよく降る年でした。
とても寒い冬でした。
リュウと私は、ストーブとコタツで温まる日々を過ごしていました。
そんなある日。
また、雪が降り始めました。
その日私は仕事でした。
朝仕事に行くとき雪は降っていませんでした。
帰りになると大雪になっていて、かなり積もっていました。
それでも自転車に乗り帰ってきました。
「う~!さぶっ!」
そう言いながら、玄関の鍵を開けドアを開けるといつもの様にリュウが出迎えてくれました。
「おかあしゃん、おかえりにゃ~!今日はしゃむいにゃ!早くあったかいやつつけてにゃ!」そう言っているようでした。
何しろ猫は寒いのが苦手です。
直ぐに、私はストーブを付けてあげました。
そして、コタツの電源も入れてあげました。
リュウはようやく落ち着いた様でした。
雪はもうやんでいました。
玄関先にもかなり雪は積もっていました。
そこで私は思いました。
「そうだ!リュウに雪を見せてあげよう!」
確かにリュウは「家猫」で外の事を何も知りませんでした。
我が家だけが世界の全てだと思っているのです。
私はリュウに「リュウ、雪を見に行こう!」
そう言ってリュウを抱っこして玄関まで行き外に出ました。
外は真っ白な銀世界。
リュウはビックリしたような顔で見ていました。
それと、寒いと感じたのでしょう。
何しろ猫ちゃんは寒がりですからね。
私はおもむろにリュウを雪の積もっているところにポンと投げました。
すると、ズボっと言う音と共に、リュウは雪の中に落ちました。
「リュウ、それが雪なんだよ?どんな感じ?」
そう私はリュウに聞きました。
しかし、リュウは余りの雪の冷たさに身動きしませんでした。
私の顔をみて一生懸命に「おかあしゃん、寒いから早くここから出してにゃ!」
そう言っているようでした。
可哀想なので、リュウの雪体験を終了させて、リュウを救出しました。
そして、暖かな部屋へと戻りました。
リュウは部屋に戻ると直ぐにコタツに潜ってしまいました。
やはり、「雪やこんこん」の歌の様に「犬は喜び庭駆け回り、猫はコタツで丸くなる…」ものなのか?と、シミジミと感じてしまいました。
わんこのチョビちゃんを飼った時、大雪が降りました。
その時住んでいたマンションのお向かいが駐車場でした。
私はわんこを連れてその雪が積もった駐車場に行きました。
そしてわんこを雪の中にズボっと投げ入れました。
すると?どーでしょー!!!
喜び回って、あの小さな体でジャンプしながらズボズボ雪の中を走り回るのです!!
オマケに雪は沢山食べるし、そのお陰で沢山おしっこもしました。
そんな経験からか、やはり犬と猫とでは違うのだなぁ?と感じた私でした。
その後、雪が降ってもリュウには雪体験はさせない事にした私でした。