表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ねこ日和 Ⅱ  作者: おりさくみづき
1/15

Ⅱ-1 避妊手術

リュウは生後半年を迎えました。

私は半年したら、リュウに避妊手術をしようと思っていました。


シーズンを経験してから避妊手術をしてしまうと、シーズンが来ると発情期特有の泣き声を出すようになってしまうからです。


ご近所迷惑にもなりますし、リュウ自身も可哀想だと感じたからでした。

女の子の猫ちゃんの避妊手術は一晩お泊りします。


料金も男の子の猫ちゃんよりもちょっと高めです。

でも、私はリュウ1匹だけを大切に飼いたかったので、避妊手術をしようと思いました。


動物病院に連絡を入れ、予約をしました。

そして、手術当日。


リュウは何となく、いやーーーな、気配を感じていました。

耳を後ろに向けて、攻撃的でした。


リュウは社会性の無い猫でした。

我が家と言う狭い家の中でしか生活した事がありませんでした。


完全に「家猫」でした。

内弁慶なのです。


そんな警戒心バリバリのリュウをキャリーケースに入れるのは一苦労でした。

ギャー!ギャー!と殺される様な声をあげて抵抗します。


私もかなりの負傷を負いました。

こういう場合、必ずこうなります。


リュウをやっとの思いでキャリーケースに入れて、自転車の後ろにゴム紐でしっかりとくくりつけました。

途中で落ちたら大変です!!


暫く、自転車で走る事数十分。

動物病院に到着。


リュウを獣医さんに預けました。

リュウは心細そうに私を見ていました。


と、それとは反対に、獣医さんには「フー!!ハー!!シャー!!」と威嚇していました。

「先生、よろしくお願いします」


そう、私は獣医さんにお願いしました。

「大丈夫ですよ。猫ちゃんの避妊手術は凄く安全で、直ぐに終わります。明日の夕方には引き取りに来ても大丈夫ですよ」


そう、獣医さんは言ってくれました。

リュウは奥の方の部屋に連れて行かれました。


私は獣医さんに挨拶すると、動物病院を後にしました。

私は自転車で自宅に帰りました。


自宅に帰ってもリュウは居ません。

いつも「おかえりにゃ~!」と、出迎えてくれるリュウが今日は居ないのです。


少し寂しくなりました。


明日になればまたリュウに会えるから!

そう、自分に言い聞かせました。


こうしてこの日は終わりました。

そして翌日。


翌日私は仕事でした。

リュウを迎えに行くのは仕事が終わった夜の7時以降になります。


動物病院には、その事は話してありました。

その当時付き合っていた彼氏は、当時まだ大学生でした。


「今日、リュウを動物病院に引き取りにいくから」

そう電話で話しました。


そう話すと彼は

「じゃあ、バイクで俺が一緒に迎えに行くから」


そう、言うのです!?

バイクで?


自宅で待つこと数分。

彼氏がやってきました。


「あたし、自転車で迎えにいくからいいのに!」

そう言いました。


「バイクの方が早くて楽じゃん?」

そう彼は言うのです。


キャリーケースはどーするんだよ??と私は思いました。

仕方が無いので、彼氏と一緒に動物病院へ行きました。


行くと、獣医さんが待っていました。

奥の部屋からリュウがキャリーケースに入って運ばれて来ました。


リュウは私の顔を見ると「にゃぁ~!」と、ひと鳴きしました。

相当怖くて、寂しかったのでしょう。


支払いを済ませて、リュウを受け取り動物病院を出ました。

しかし、リュウを抱えてバイクに乗り帰るのです。


キャリーケースは邪魔でした。

引き返し、獣医さんにキャリーケースを明日取りに来るので預かって欲しいとお願いしました。


すると、獣医さんは快く引き受けてくれました。

私はリュウを抱き抱え、彼氏にしがみ付き、リュウをサンドする様にバイクの後ろに乗りました。


そして、いざ出発!

暫くしてからでした。


リュウが「にゃぁ!にゃぁ!」と鳴くのです。

「リュウ、後少しでお家に着くからね。頑張ろうね」


そう話しかけていた時でした。

私のジーンズに生暖かい感触を感じました。


「ん?これはもしや?」

そうです。リュウは我慢していたのでした。


動物病院ではリュウはおしっこができなかったのでしょう。

私の顔を見てホッとして、気が緩みおしっこをしたのです。


「リュウにおしっこされたよー」

と、彼氏に話すと、


「マジでー?」

と、言って来ました。


でも、私は嬉しかったのです。

またこれで、リュウとまた一緒に暮らせるんだな?って思いました。


おしっこまみれになったリュウは、即自宅に帰り、お風呂に入る事となりました。

私のリュウのおしっこに濡れたジーンズは、翌日全自動洗濯機で洗濯されました。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ