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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

婚約者がド変態のロリコン野郎なので死を願ったら処刑されることになりましたわぁ

作者: 五日 永遠



わたくしの名前はコマですわぁ。

話し方が変かもしれませんが、ご容赦くださいまし。

なにせ、わたくしこれでも純村人ですの。



村に居たころは、それはもうみなさんから「かわいい」とベタ褒めでしたわぁ。

なにせ当時はまだ9歳でしたの。

いわゆる、年齢ブーストがかかりまくってるわけですわぁ。


そんなチヤホヤされまくりの素敵人生を送ってたら、権力者に目をつけられましたの。

その権力者こそ、この国の王太子でしたわぁ。

当然、「はい」の1択ですのよ。

だって、逆らえば村ごと滅ぼされるだけですの。



そんな訳で、わたくし9歳にしてロリコン野郎の元に嫁ぐことになりましたわぁ。


唯一の救いは、対外的に9歳はまずいということで、とある屋敷で教育を受けながら14歳まで待つことになったぐらいですわぁ。



その屋敷には、わたくしと同じような幼女が他にも沢山居ましたの。

もう、確定でド変態のロリコン野郎ですわぁ。

月に数回聞こえる幼女の泣き声。

それが何を意味するのか、実際に経験した身としては、説明したくありませんわぁ。

ただ、その瞬間から、わりと真面目に早く死んで欲しいと願ってましたわぁ。




基本的にそこでの生活は、とにかく勉強ばかり。

食事は村に比べれば、かなり美味しいはずなのに、マナーに五月蝿くて味なんかしませんわぁ。


他にも学んだのは、わたくしが行くことになる後宮についてですわぁ。

話に聞く限り、女の醜い争い最前線ですの。


足の引っ張り合いは日常茶飯事。

嘘と欺瞞で塗り固め、他の女を蹴落とすことに喜びを感じる、そんな女ばかりらしいですわぁ。

毎日が修羅場とか、誰得なのか分かりませんわぁ。


そんな中で生き残るのは至難らしいですの。

寵愛を受けれなければバカにされた挙句、周囲からイジメられ、寵愛を受ければ嫉妬されますの。

どっちに転んでも大怪我ですわぁ。



ですが、わたくしってば、生粋の村人ですの。

バカにされるだけなら、実質、無害みたいなものですわぁ。

そんなわけで、全方位に三下ムーブをかますことにいたしましたわぁ。



周囲にいる女性は、全員美しいお姉様だと自己暗示全開でかけましたの。

なんなら、使用人も含めてですわぁ。


そのお陰で、食事の度になぜかお腹を壊すのが減りましたの。

多分、ここでの生活で1番鍛えられたのは、間違いなくわたくしの胃袋だと思いますわぁ。



次に鍛えられたのは、コミュ力ですわぁ。

全方位に向けてペコペコしてたら、やっぱりそれを気に入らないお姉様もいますの。

そこで1に褒め、2に褒め、3も4も褒め、5にも褒めましたわぁ。



これも生き残るためですの。

そんなことをしてたら、いつの間にか屋敷でもみなさんから可愛いがられるようになりましたわぁ。



ですが、2年も経つ頃、不穏な噂が流れてきましたの。


それは、国王に新たな御子が誕生したとの話でしたわぁ。

それ自体はおめでたい話だと思いましたら、実はとっても危険なことらしいですの。



というのも王太子は現国王の実子ではなく、養子らしいですの。

そこで国王は実子に跡を継いで欲しい気持ちがある。と、もっぱらの噂。


しかも、その実子を産んだのは悪名高い正妻ですの。

もう、どれだけ悪名高いかといえば、ライバルの女たちに無実の罪をでっちあげ、挙句自ら処刑したらしいですわぁ。


しかも、その処刑方法が、女たちを全裸にして、四股を切り落とし、家畜の糞まみれにしながら、「メス豚にはお似合いね」と高笑いしてたらしいですの。

信じられないですが、それだけで飽き足らず、それを一般に公開したらしいですわぁ。



冗談抜きで、マジでキチってますわぁ。



さて、そんなマジキチ王妃が我が子を跡取りにしない訳がないですの。

きっとどんな手段を使ってでも、必ず実現してきますわぁ。




そして、それから更に2年が流れ、わたくしも来年には嫁ぐ事になると絶望してた頃ですわぁ。

あのマジキチ王妃が手を打ってきましたの。



初手は、王太子に叛逆の罪がかけられましたわぁ。

まぁ、王太子自身も身の危険を感じてたでしょうけど、その自己防衛の為の行動を国家に対する叛逆とこじつけられましたわぁ。


ぶっちゃけ、あの気持ち悪いクソロリコン野郎が処刑されるのは大歓迎ですが……



それで終わらないところが、マジキチ王妃の由縁ですの。

ここぞとばかりに、敵対派閥の連中まで纏めて処刑しようとしてきましたわぁ。



更に、そこでも止まらないキチ王妃、第三弾処刑にて自己満足の為にわたくしたちまで標的になりましたの。

なにせ、美しい女は全て敵だと思ってる方ですから。


ですが、ちょっと待って欲しいですの。


わたくしってば、まだ婚約者ですし、なんなら王太子の処刑には賛成してますし、どうにか見逃して欲しいですの。


って気持ちを手紙で送りましたわぁ。




そしたら、王妃からなんと、了承の手紙が届きましたの。

ただ、一度決めた処刑を取り消すのは至難だから、処刑日当日にハプニングを起こして、それを理由に処刑を中止するとの話でしたわぁ。




ええ。

分かってますの。

わたくしもこれが、嘘って事くらい。



どうせ、助けようとしたけど、間に合わなかった。って感じの美談にする気ですわぁ。

まあ、この国での処刑は娯楽の要素が高いので、まず実施されますの。


きっと、わたくしたちのような少女が処刑されるのを見て、可哀想とか思ってたいんですわぁ。

ぶっちゃけ、本気でそう思うなら、助けて欲しいものですけどね。


とは言っても、無いものを強請ねだってもしかたありませんですわぁ。

わたくしに出来ることを全力でやるだけですの。





処刑日当日になりましたわぁ。

晴天にも恵まれ、この日はもう絶好の処刑日和。

この処刑を間近で見ようと、前日から長蛇の列が出来たそうですわぁ。


わたくしの処刑は順番が決まってまして、13番目でしたわぁ。

そうなんですの。

処刑は一大イベントですから、もう運営とか裏方が頑張ってますのよ。


聞いた話だと、このプログラムには、驚くことに王妃から処刑を中止させる連絡が届くことまで、あらかじめ決まってるらしいですわぁ。



ただし、処刑完了後、1時間も後にですけど。

なんですかね、ギリギリ間に合わなかったを演出したいのでしょうか。

今更、心優しさをアピールしたところで、返上不可能な汚名だと思いますが。



まあ、そんなこんなで開幕のセレモニーが始まりましたわぁ。

賑やかに目出度く、盛大に花火が上がっていきましたわぁ。




ただし、上空ではなく貴賓室にですけど。




ええ。

この日の為に、わたくし全力で準備しましたもの。

王都全域で反乱の狼煙が上がって、次々と制圧されてますわぁ。

その実働はこの国で虐げられた平民が主力ですが、その背後にはこの国の敵国がついてますの。


きっかけは、そう…………

敵国のスパイが、あの屋敷の使用人に紛れてたことですわぁ。


そこからの交流で、万全の体制を整えての反乱ですの。

当然、成功しましたわぁ。





そして、今。

わたくしの眼前では、処刑が行われようとしてますわぁ。

もちろん、処刑されるのはこの国の元国王と元王妃ですわぁ。


ちなみに、まだ2歳の幼子は元王妃の手によって既に殺害されてますわぁ。


なんでも、我が子には苦しませたくなかったらしいですわぁ。

もっとも、その言葉を鵜呑みにする人は少ないと思いますけど。

散々、女や子供を殺しまくってるくせに、自分の子供だけは特別とか……

まったく、どこまでも身勝手なマジキチ王妃ですの。



さてと………

そろそろ処刑開始ですわね。


元国王と元王妃の首が飛ぶところを見れるかと思ってましたが、国民の大半がそれでは生温いと、処刑方法は火炙りですわぁ。


わたくしとしては、人の苦しむ姿を見て楽しむ気持ちはありませんので、この処刑会場からは出ますの。


ただ、処刑会場を出る時、振り返ってこう言いましたわ。




「ザマーミロ………ですわぁ」





お読みくださり、ありがとうございますですわぁ。

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― 新着の感想 ―
[一言] なんか語り部が某百万点なVTuberで再生されてしょうがないですわぁ。 もちろん作品その物も面白かったですわぁ。
[良い点] あとがきで吹きました。 平民には平民の強さがあるんじゃい!ですわぁ。
[一言] ……あ、そうか、王太子は主人公が第三弾、ということだからそのずっと前に殺されていた、ということでいいのですね。
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