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朝
朝日の差し込むその空間。
静謐な空間の静謐な壁にしがみついていた。
真っ白な空間にはただ真っ白な椅子があるだけだ。
なんていい匂いのする椅子だろうか。
匂いに反応して、身体を覆い尽くしてしまった食欲の殻が嫌にねばねばする。
ドアをあけてウェイターが新聞を片手にもち中に入って来た。
まるまると太った彼は椅子の『中に』食事をおいた。
おかれた瞬間まとっていた自分の殻の中に大量の液体が入り込んできて、たちまちそこには快楽の海ができた。
このままではまずい。もう溺れ死にそうだ。
もう我慢できない。
僕は飛んだ。ブラウンの食事に向かって。
バチッ
一匹のハエはもうこの世界に立体として存在していなかった。




