表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

鍵の掛け忘れにご用心

作者: たこやき

鍵の掛け忘れをしたことはありますか?

注意した方がいいですよ


友人にSって人がいて、よく連絡を取り合っていたんだけど


Sが家に帰り鍵を回してから扉を開こうとすると

ガダッ

て塞がって開かないんだ


あれ?おかしいなと思ってもう一度鍵を回すと扉は普通に開いたんだ

出掛けるときに鍵を掛け忘れたかなと思って玄関で首を傾げてさ

ちゃんと出掛ける際は鍵を掛けて扉を開かないか確認してって必ずしたんだけどな


それが数日後、またあったんだ

やっぱり確認していたからおかしいなと思っていたんだけど

不用心だからちゃんと注意しないとって


ここまではSから直接電話した時に聞いた話なんだ。あいつが本当にちゃんと鍵を掛けたかどうか

分からない。そそっかしいから、掛けたつもりが忘れてたなんてことが良くあるんじゃないかって


それから1週間後。またSから電話があったんだ。何だか様子がおかしかった。

いつもはハキハキと聞き取りやすい声なんだけど、その時は震えていて焦ったような声で言うんだ


誰かいる。またあったんだ、鍵が開いてたの。変に思ってさ!鍵を閉めるのと開けるのは回す方向逆なんだ…!開ける方へ回して閉まることなかったんだ!だから開けてみて、念のため閉めてみたんだ!でも、空いてたんだよ。一度開けたら鍵が掛からくなって、仕方なく部屋に入ってみたんだけど、今度は明らかにおかしい!だって、部屋に入ってはいけないときだったんだよ!!それを破って部屋に入ったから…何かいるんだ!声が!た、助けてくれ!明かりもつか…


そこで電話が切れたんだ。折り返してみても電話には出ない…。

翌日も、その翌日も…出なくて、おかしいなと思って家に行ったんだ。そうしたら物々しさが残る様子で…どうやらSが電話のあった日に部屋を真っ赤に染めて変死体で見つかったそうだ。


Sが電話越しで言っていたのは本当だったみたいだ。帰宅時に鍵を開けて閉まったのなら、鍵の掛け忘れではない。部屋に凶悪な霊がいるんだと。だから決して鍵を開けてはならない。時間を置いて、必ず鍵を閉めてみて…閉まれば霊は去った。閉まらなければまだ開けてはいけない…てね。



ああ、最後まで読んでくれよ。どうやら…少し前のは違うみたいだ。実は俺もSの言っていた状況になってるようだ。で、ずっと鍵が閉められないから持久戦にしてもう何時間だ…朝にすらなろうって、今試してもダメなんだよ。そうしたら扉越しに不気味な声でクスクスと笑う声がするんだ。時間を置いてもダメみたいだ。狡いよな、それ。だから急いでここに書いてるんだ。続きが書けないようなことがないように…祈りつつ、腹を括ってちょっと開けてみるよ。













評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ