ダロサン6話その2
ダロサン6話その2
「おじいちゃん。着いたみたいだけど?」
白根は中国民兵をモニターで確認した。
「よし。ゲーセンビルと民兵の間に焼夷ミサイルで、一時的に火災の壁を作る。壁ができたら、両端に対人地雷を散布。よく見えるように、高い所から派手にばら蒔け」
「了解。おじいちゃん、レーダーに細かいのが出てる」
白根は、レーダーと高度表示を見た。
「成層圏高度から?先行しているのは……戦術バンカーバスター……後続はバーニアパックを背負った…」
智史が言葉を拐った。
「人民解放軍のラム突撃。小規模のバンカーバスターで屋上に穴を開け。飛行できるバーニアパックで強襲する」
智史は焼夷ミサイルを発射し地雷散布を終えていた。
白根は智史から操縦スティックを奪って、ドローンをゲーセンビルの真上に向けた。
「ドローンが間に合いましたね」
室町は屋上カメラが捉えた火災を見て言った。
「10分程度は稼げるか…真綾順調か?」
…到着まで後25分
バンッ
天井からバラバラと粉が降ってきた。
屋上カメラのモニターが消えた。
「室町。ラム突撃。屋上から来るぞ!」
「天井に穴が無し。戦術バンカーバスター不発。窓から突入警戒!」
室町は窓に向かって、対戦車ミサイルを発射した。
下垣内も反対側に発射する。
置き撃ちにタイミングが合って、空中の突撃兵数人が吹き飛ぶ。
が。次が機関銃を連射してフロアに破片を舞い上げる。
土嚢を積んだ銃座から応射する。
戦場の絆のホッドも被弾するが、プラスチックアルミニュームの防弾板が入っており、貫通しない。
突撃兵が窓外のベランダに取り付いた。
…到着まで7分
下垣内大尉は暗算した。
「エリア掃討焼夷弾の射程ギリ。装填」
真綾は、武装リストを開いて¨エリア掃討焼夷弾¨を探した。
無い。
…大佐ありません?
室町が突撃兵と白兵戦に入った。
「落ち着いて。グレーネード選択から弾種ウインドウだ」
次々と突撃兵が入ってくる。
下垣内と室町は耐火シールドをオンにしている。実験室では有効だが、実戦で使えるかは今回で実証される。
…装填完了。発射。1234567着弾、今!
下垣内の視界が炎だけになった。