第4話 女の子になってる!その2
「まさか……皆んなとはぐれるだなんて」
草むらの中から出て来たのは、学生服を着たイケメン男子だった。
「男…?」
ウチの後ろにいる奏がボソッと呟いた、奏の声に此方を向く男子生徒。
「人⁉︎俺以外に人いたんだ!って…うわぁぁぁ⁉︎」
男子生徒は何か恐ろしい物を見たかのような悲鳴をあげ両手を上げる。
如何見てもウチの所為だ、このゴツい見た目のパワードスーツに映画の主役になる筋肉マッチョマンでも持てない様な馬鹿でかいガトリングガンを持っていれば誰だって怖じ気付いてしまうだろう。
「うっ撃たないで⁉︎」
「誰れが撃つか馬鹿」
そう言いながらM61の銃口を下げる、取り敢えず…ウチらと似た様な状況の人と会えたのは非常に頼もしい、何かの情報を知っているかもしれない。
ウチが銃口を下げたのを見て、非常に安心したのか安堵の溜息を吐いた。
「えっ…えっと……もしかして貴女達も?」
そう男子生徒は聞いて来た、つまりは同じ転生者かどうかを聞いて来たのだ。
「あぁウチもコイツもサッカーボールに転生させられたのさ」
「サッカーボール?」
「気にするな…でっアンタもウチらと同じく転生したのかい?」
疑問を投げ掛けて来るが其れをあしらう
「転生…?あぁ俺も君達と同じく数日前に王国に召喚されたんだ」
「成る程な…」
そう男子生徒が言った途端、彼の雰囲気が一気に暗くなる。
とは言えそんな人の地雷なんて踏む様な真似なんかしたくはない、地雷を踏み抜いた所為で色々と面倒に巻き込まれるのは勘弁だ。
「そう言えば、何で君達二人はこんな所に?結構な武装してるけど……流石に女性二人だけって言うのは」
…………確かにウチも気になっていたさ、前のエイリアンの断末魔見たいな声じゃなくて、何故か中々に可愛らしい女の声だったからな。
……現実逃避位にさせてくれよ。
「まぁ確かにウチら見たいなか弱い女の子がこんな危ない場所にいたら色々不味いね」
後ろから奏が「か弱い?」と言っていたのは無視だ、今は少しばかり利用させて貰おう男子生徒よ。
先の会話から、男子生徒はウチらより前にこの異世界に来ているって事が分かる。
更に国に召喚されたという事は、其れなり以上の質の良い物や豊富な資金援助などもされているのだろう。
暫くはこの男子生徒にお世話になろう。
「そういう訳で近くに街があれば案内してほしいかな?」
かなり恥ずかしいが少し女の子ぽい口調でお願いをしてみる。
「其れくらいなら良いさ、丁度俺も街に戻ろうとしてるし…それに君達見たいな可愛らしい女性を見捨てる程冷酷ではないさ」
男子生徒はニコリと笑いながらそう言った。
先程から奏は彼に対し良い感情が無いのか、無言でキツイ視線を送ってるのだが、其れが更にキツくなっていた。
ウチはただパワードスーツの中で苦笑いをするしなか無かった。