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冥土はメイドであふれてるっ!?

作者: 奏夢想夢

3つのお話があります

お楽しみください



メイドイン冥土


「これってする意味あるのかな」

「意味のないことなんてこの世にありませんよ」

「ここってあの世だからな」

「喋ってないで集中してください」

「はいはい」

僕は今、ひたすら走っていた

「そろそろ速度あげますね」

「は?!これ以上はキツイって!」

「諦めたらそこで試合終了ですよ?」

「知らないからっ!」

そうですランニングマシーンです

事の発端は…



「ご主人様、生き返るためには脚力が必要です」

「脚力?なんで?」

「生き返るためには生き返りフルマラソン地獄をこえないといけないんです」

「…そんなのあるんだ」

「はい。先日も言いましたが、生き返るには数々の試練を乗り越えなければいけません」

「その試練を乗り越えれば生き返るけど、失敗すると魂が消えるんだっけ?」

「はい、そうです。今ここにあるのはご主人様の魂ですので。魂が消えると私に二度と会えません」

「生き返っても二度と会えないよね」

「…では訓練などいりませんね」

「ちょっと待ってよメイドさん!」



と、こんなことがあったから

脚力を鍛えるためにランニングマシーン

まさか冥土で使うなんて思わなかった

「もう疲れたよ…そろそろ休憩させて…」

「まだいけます。本気を出してください」

「いやいやいや!まずいって!」

「東芝なので大丈夫です」

意味がわからない

メーカーの問題じゃないんだけど

マジでそろそろ足がヤバイ

「あっ」

しまった

足がもつれた

「きゃっ」

メイドさんに覆いかぶさるように倒れてしまった

「ごめんメイドさん!」

「…最初からこれが目的でしたか」

なんか勘違いされてる

腕で胸を隠してるけど、別に襲わないからね?

「私はあなたのメイドなので…言ってもらえば少しは」

「そういう恥じらいいらないから」

「む。私が献身的なメイドを演じているのにそんな態度ですか」

演じていたんですか

じゃあ今のは演技ですか

「ご主人様は死ぬ直前まで童貞さんでしたからね。女に興味がないんでしょうけど」

「いや!あるから!童貞だけどそれ関係ないし!」

「そばに私がいるのに欲情しない人がよく言いますね?」

「その態度がいけないんだよ!」

「私はご主人様が男しか愛せない変態さんでも構いませんけど」

「だから違う!」


☆☆☆


いつもこんな感じだ

メイドさんと話してると疲れる

けど退屈しない

早く生き返りたいけど

メイドさんとこうして過ごすのも悪くない




冥土インスポーツ



「ストライク!バッターアウト!チェンジ!」

今回は野球

というかスポーツをすることになった

事の発端は…



「楽天は大丈夫なのでしょうか」

「急にどうしたの?」

「まー君が抜けてしまって戦力が落ちてしまいました。他にも有力な選手がいるとはいえ…今後が心配です」

「もしかしなくても野球の話?」

「そうです。巨人軍や阪神には負けていられないんです」

「…冥土関係ないんだけど、そういう話ってしていいの?小説的に」

「冥土関係ありますよ。私が言っているのは冥土の野球チームのことです。楽天メビウス。巨人オーガ。阪神白虎」

「…そんなチームがあるんですか」

「冥土にいても特にすることはありませんからね。ご主人様も特訓ということで試して見ては?」



ということです

そして野球をするために集まってくれたのがなんとあの楽天のみなさん

「冥土在住歴40年オーバーのわしらに怖いものなんてないさ!」

「奥さんくらいじゃな」

「「わはははは」」

もちろん楽天メビウスです

チーム編成とポジションはこんな感じ

ショートライトレフト


チームA

ピッチャー→僕、キャッチャー→山本さん、ファースト→倉持さん、セカンド→高山さん、サード→クレミールさん、内野→宮本さん・鈴木さん、外野→佐々本さん・鈴木さん


チームB

ピッチャー→メイドさん、キャッチャー→内藤さん、ファースト→星中さん、セカンド→天王さん、サード→珍さん、内野→鬼道さん・鈴木さん、外野→花束さん・鈴木さん



このチーム編成にツッコミどころが満載なのはわかる

けど人の名前が被ってしまうのは仕方ない

我慢だ

「鈴木さん!任せました!」

「え!こっちボール来てないぞ!」

「違う!外野の鈴木!」

突っ込んだら負けだ

…しかし

「また点が入った」

僕たちのチームAは負けていた

楽天メビウスのみなさんはみんな強い

さすがプロだ(多分プロ)

けど生前インドアだった僕が足を引っ張っている

攻めも守りも僕が弱いせいでダメダメだ

なのにピッチャーなのはメイドさんと約束したから

『お互いに主要な役をして戦いましょう』

そういうわけです



「あのメイドさんとやらの球は見えないのぉ」

「早いな…しかも正確だ」

「ワタシタチデモウテナイデス」

5たい2

普通に負けていた

なのにもう9回裏

僕たちはさよなら勝利を決めなくちゃいけない

「打てる気がせんのぉ」

「バントならいける気が済んだけど」

みなさんの士気が落ちてる

けど勝たないと

メイドさんには負けてられない

「みなさん!聞いてください!」

みんなが僕に注目する

「僕が足を引っ張っています!すみません!けど勝ちたいんです!どうか、僕に力を貸してください!」

「…」

「…」

沈黙

そして

「何言ってんだよ」

「負けるつもりなんてこれっぽっちもねぇよ、なあ?」

「ワタシタチノカレイナプレイヲミセテヤリマショウ」

「…みなさん。ありがとうございます!」

「礼は勝ってからにしろ」

「いくぞおめぇら!楽天メビウスの名にかけて!」

「「うぉーー!!!」」

そして快進撃が始まった



「セカンドとサードに1人ずつ…私としたことが不覚です」

倉持さんの犠牲バントもあり1アウト

セカンドにクレミールさん

サードに鈴木さん

そして次のバッター

「見てな若造。プロの意地ってやつ、見せてやんよ」

山本さんがかっ飛ばした

「!また打たれましたか。外野は!」

「…届かない!」

「やった!ホームランだ!」

これで5たい5

「メイドさん…僕がこの勝負を終わらす!」

「ご主人様。申し訳ありませんが…この勝負私の勝ちです」



あっというまに3ストライク

仕方ない

さっきだって打てなかったもん

かっこいいこと言っといてアウトになる僕をいくらでも罵って欲しい

「私があなたの意思を継ぎますぞよ」

次のバッターである高本さんがそう言ってくれた

そしてホームラン

まさかのさよなら勝利

とりあえずみんなで高本さんを胴上げした



「どうでしたか?」

「いや、楽天メビウスっていいね」

「特訓になったとは思えないのですが」

「友情っつーの?やっぱチームワークって大事ってのがわかったよ」

「それが今回の成果と?」

「そういうことにしておいてください」

僕の活躍しなさがひどかった

素人なんだから仕方ないだろうけど

「…チームワークが試される地獄は確かにありますのでよしとしますけど」

「え、あるの?」

「はい。卵運び競争地獄などがあります」

「地獄って広いんだね」

なんでもあるんだな

「そういえばメイドさん、なんであんなに強いの?」

「野球のことですか?」

「そうそう。プロも顔負けしてたよ」

「それは私がメイドだからですよ」

「…」

「冥土のメイドは最強ということです」

「…そういうことにしとく」






メイド運試し


「凶ですね。もう一度どうぞ」

今回は運試し

だからおみくじをひいている

いや、実はメイドさんが急に言い出したんだ



「今日も最下位でした…」

メイドさんが落ち込んでいた

「どうしたの?」

「私が毎日見ている占いでまた最下位だったんです」

メイドさんのいう占いはMADEという毎日発行してるらしい雑誌に載ってた

「冥土占い?なにそれ、星座占いとか誕生日占いじゃないんだ」

「死んだ人に星座も誕生日も関係ないんです。冥土占いはその日の気分で1〜10の好きな数字を一つ選んで占うシンプルな占いです」

それってただの確率論というか運というか…占いってそういうものか

「それで最近ずっと最下位なんです。呪われてるとしか思えません」

「冥土にいるのに呪われるって誰に」

「とにかく!」

メイドさんテンション高いな

「運命力、運も生き返るためには必要なことです!」






そして今、運を鍛えてる

具体的に言うと、大吉が出るまでくじをひきつづける

…こんなんで運を鍛えられるわけがないんだけど

というか運って鍛えるものなのかな

「ところで、このくじって大吉とそれ以外の割合って決まってるの?」

「はい。大吉は10000分の1の確率で引けます」

「やってられるかっ!」

妙にくじが多いと思ったら10000個も入ってたのか

「まだ2回目ですよ。どんどんひいてください」

「絶対にやつあたりだよねこれ」

そういいつつも2回目をひく

「あ」

「え」

「…吉ですね」

「大吉じゃないのか」

「…吉ですか」

「そういえば吉はどんくらい入ってるの?」

さすがに吉は半分くらい入ってるだろう

「2です」

「2000個?うーん喜べないなぁ」

「違います。2個です」

「へー2個…2個?!」

「そうです。大吉は1個、吉は2個、それ以外は凶です」

「…確率低いな」

どんだけ悔しかったんだろうメイドさん

「…偶然でしょう。次どうぞ」

「まあ、そうかもね」

3回目

「え」

「あ…大吉?」

なんか明らかに光ってるくじをひいた

「なんでこれが…」

「メイドさんそれなに?大吉?」

「これはなかったことにしましょう」

「いやいやなんで捨てようとするの!」

メイドさんの手から光るくじをとる

「えっと…メイドさんが1つだけ言うことを聞いてくれる券?」

なんだそりゃ

「これは御主人様をからかうために作り、いつか見せるはずだったもので…手違いです」

「手違いって言っても引いちゃったしなぁ」

なんか明らかにうろたえてる

こんなメイドさんをみるのは初めてだ

「…仕方ありません。腹をくくりましょう。どのようなご命令でも従います」

「命令って」

うーんでもなぁ

「早くしてください」

「使わないよ」

「…使わないんですか?」

「うん。いましてもらいたいことないしね」

それに命令なんて柄じゃないから

「これは僕が生き返る時に使うよ」

「…そうですか」

「うん」

「それでは続きをしましょうか」

「あーまだ大吉引いてなかったね」


そしてこのあと10回目で大吉がでてメイドさんの機嫌がさらに悪くなったのは言うまでもない



読んでくださりありがとうございました

この作品は完全なコメディ作品ですね

結構気に入ってる作品なので続編ができたらシリーズにしたいと思っています

感想等お待ちしております

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