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娘が逆ハーレム女になってしまった父の嘆き

作者: HAL

よくある逆ハーレム小説。それを傍観する話というのももはや珍しくないが、もし逆ハー女の父が、娘の逆ハーレムを見たらどんな反応をするのだろう、と考え書いてみました。

 はじめまして、読者の皆さん。私は本作の語り手、野崎 信国と申します。

 お話に入る前に、少しだけ私自身と、私の大切な家族たちを紹介しましょう。

 私は今年で43歳になります。職業は高校教師です。教科は日本史、受け持ちクラスは1年3組で今年は1年生の学年主任も掛け持ちしております。恐縮です。

 家庭は妻と娘の3人家族。今年高校生になった娘は、なんと私が勤めている私立校に入学しました。いや、娘が職場にいるという感覚には今だ慣れれません。もう3ヶ月もたつのですがね。

 妻とはお見合い結婚です。妻は主婦の傍らライトノベル作家をしております。名前は弥生。作家名は本条 弥広。身内自慢になるかもしれませんが、売れっ子さんです。そして彼女は重度のオタクさんでもあります。

 ちなみに私もちょっとオタクです。弥生さんほどではありませんが、毎週有名な週刊漫画雑誌を欠かさず読み、いくつかの漫画の単行本を買い揃え、アニメも忘れず予約しているので、まあオタクと呼んで違わないのではないでしょうか。

 さて話を戻しましょう。私の妻弥生さんは、さきほども申し上げたとおりライトノベル作家で重度のオタクです。そんな彼女にはある壮大な夢がありました。

「自分が生んだ子供を自分好みのキャラに育て上げる!」

 でもそれは口で言うほど簡単なものではありません。なんていってもゲームと違い、こちらはリアルですから。私も婚約当初この夢を聞かされたときは、いくら弥生さんでもそれは無理ではないかと思いましたよ。

 しかしさすがは弥生さん。

 彼女は念密な計画と執念と根性で見事娘を自分好みの子に育ててしまったのです。

 それが私の娘、野崎 桜乃です。

 さきほどもお話したとおり、今年高校生になったばかりの15歳。父の私が言うと娘自慢をするようですが、とても気立てのいい子です。優しくて、家庭的で、気遣い屋さんで。私たちはどちらも職を持っていますから、あの子には寂しい思いもさせてきました。なのにあの子は文句の1つも言わず、むしろ私たちをねぎらい、家の手伝いを進んでしてくれます。よくできた子です。

 桜乃がそんないい子に育ったのも、弥生さんの計画のおかげなのです。

 彼女のすごいところは、桜乃に理想を無理やり押し付けるのではなく、あの子が自分からそういう子に育っていくようごくごく自然に誘導していったということです。

 むりに押し付けても子供も意思を持っていますから、いつかは反発される。でも弥生さんのやり方ならば、反発されるどころか、おそらく気づきもしないのではないでしょうか。実際、桜乃はまるで気づいていませんしね。

 さて、そんな弥生さんのオタク魂の集大成ともいえる桜乃。私にとっても愛しい娘。彼女に対して不満や悩みなんてありません。いえ、ありませんでした、あの子が私の職場に入学してくるまでは。

 でもこれは娘のせいではありませんね。あの子は普通に生活しているだけですから。

 そうです、悪いのは、というは問題なのはあの子を取り巻く男たちなのです。

「桜乃、話がある。いつもの場所まで来い」

「桜乃、僕の仕事を手伝いなさい。どうせ暇でしょう」

「桜乃ちゃん、この前読みたがってた本が手に入ったんだ。一緒に読もうよ」

「桜乃ちゃん、一緒にお菓子食べよう」

「桜乃、ちょっと付き合ってよ。拒否は認めないよ」

「野崎、あの、よかったら昼、一緒に食べないか? いや、いやならいいんだけど」

「野崎、貴様またなにか問題を起こしたのか? どうしてそう人のトラブルに巻き込まれるんだお前は」

「野崎さん、最近困っていることはありませんか? 俺でよければ力になりますよ」

「野崎、お前また仕事押し付けられたのか? 貸せ! 見てて危なっかしい」

「野崎、この前のテスト、よく頑張ったな。褒美をやるから、ちょっと執務室まで来い」

「野崎、すまないが頼まれごとをしてくれないか」

 生徒会、風紀委員を筆頭に私の娘に群がる男たち。どうしてしかも教師まで混ざっているんだ! お前たち生徒との恋愛はご法度だぞ! 聖職に就いている自覚はあるのか!

 気安く人の子を呼び捨てにするな! 触るな! なれなれしくするな! その子はお前たちのものではない!

 弥生さん、あなたのことは愛していますが、これはさすがにうらみますよ!

 私のかわいい愛し子が、よりにもよって逆ハーレムを作り上げてしまったではありませんか!

 娘は、桜乃はまだ誰にも渡しません!


敬語キャラで家族思いなちょっとかわいいおっさんというのを書きたかったのですが、書ききれてませんね。すみません。

これも書いてみたらおもしろそうですね。

とくにお母さんとか。

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