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雑文集

エピローグみたいなもの

作者: illumina

薄雲のヴェールの裂け目から 陽光が街を明るく照らし出し 光と影がはっきりと分かれる

例えば 白々と冴えるこの階段にも陰影が  思わず僕は 太陽に手をかざす 

すると 僕の手の甲もまた影になり 手のひらは太陽に焼かれて見えなくなる


思えば 小さいころ 昼の星を見るために 僕は進んで自らの手のひらを焼いた

だが 今は 星らしい星は一つも見えず ただ手のひらに陽光を感じるのみ

おそらく 昼の星は 僕の視力と共に 陽に焼かれて消えてしまったのだ


ふと足元を見ると 小鳥があたふたと歩き回っている その足元にも影が憑き纏っていたが

小鳥は銀の翼でそれを切り離し 僕が隠していた陽の方へ飛び立っていった そして

小鳥は仲間と合流して だんだん遠ざかっていき やがて 星となった  


風が吹いている こうしてまた 僕は昼の星を見たのだ その下にはおそらく影はなかっただろう 

だけど 僕の足元の影は 相変わらず僕をにらんでいる 僕はしばらくそれをにらみ返した

風が降っていた 僕は影を見つめるのをやめて 飛び去った小鳥の後を追う

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