表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/31

終止符

物語調です。

ああ……なんて哀しい色をしているのだろう

いつか誓ったその青に

美しい瑠璃色に私が映ることはない

永遠に叶わない

堕ちていく……


叶わぬ願いを抱いたまま

狂気を纏い、堕ちた天使

苦悩の末に見たものは

決して約束された楽園ではなく

孤独が蝕む牢獄だった


清けき月の明かりは届けども

深淵の闇はなお深く

統べるものぞ無き荒涼の大地に

聖者の祈りはやがて

壮麗たる歌声となり悼みの雨を降らすだろう


足りないものを数え

地に足を下ろし

強くしなやかな翼を失った

天を仰ぎ、私は

届かざる腕を伸ばした


何故に聖者は自らを貶めたのか

二度と還らざる空に焦がれながら、何故、翼を棄てたのか

抜け落ちた純白の羽は陽の光を纏い

願いを乗せて天に舞い、荒野に生命を生み落とす

伸ばされた手は小さな光を掴んだ


灰色の空から落ちる雨はいつしか慈しみへと変わり

一人きりの世界は

二人の世界に変わった

平凡な日常を過ごせればそれでよかった

欲しいものは何もない


真の絆がそこにはあった

満たされる、ということを知った

無為の腕はあなたに差し伸べる為に

目を合わせた瞬間に映る自分、初めて己が生きていることを知る

もう、見上げるのは止めよう


やがて芽生えた想いは実を結ぶだろう

悠久の時を経て巡り会った命は

喜びを歌った


藍玉の瞳は

凛とした眼差しは

瑠璃の君を彷彿させる

連綿と引きずってきたこの想いに、そろそろ終止符を打とう

蝋燭のように灯った新たな想いを胸に


私は歩き出す。いつか、この想いが瑠璃色の空に届くことを願わん――……

五十音を一文の頭文字にして、どこまで表現できるか、挑戦したものでした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ