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ゆらり

揺らめく

虚像の楽園オアシス

追えば逃げ

逃げては留まる其は幻惑の夢

捕らえることなど決してできない、彼方に見ゆるは魅惑の泉


さあけ、進め

我らが気高き征服帝よ

遍く沙塵に埋もれることなく

天の座する地平を目指せ

其処に在るは故国の土

懐かしき風と豊穣の森に抱かれし約束の丘

必ず帰ると誓いを立て

戦火を纏いて赴くままに

彼の地は我らが故国なればこそ

奪え、奪え、取り返せ

再びこの地を『盟約の民』に

今こそが報復の時ぞ

嗚呼、其は甘美な蛇の囁きが如く

脳裏によぎるは愛しい同胞かぞくの笑い顔

手を伸ばせば届くだろうか

故郷は、帰郷はもうすぐそこに

そう、すぐそこに――


ゆらり、揺らめく蜃気楼の向こう

行けども行けども近づかぬ距離に

感じるのは

焦燥

安堵

渇望

陽炎を切り裂き

それでも征服帝わたしは征かねばならぬ

其処にはらからが待つ限り

それだけが征服帝わたしの幸せなのだ


彼は虚を彷徨う旅人

目的地ねがいには永劫に辿り着かない

二度と同じ場所には戻れない

――歩き続けるしかないのだ

止まることすら、とうに忘れてしまったのだから……

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