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紡ぎ歌
夢と現の狭間で
いつも特別に響く声があった
強くて、まっすぐな意思を伝えるその声は
時々ひどく寂しげで
それでも限りなく透き通っていて、とてもきれいな音を奏でる
いつしか私は
数多の声の中から
あなたの声を、探していた……
そうして出逢えたことは奇跡だったのでしょう
あなたがくれた、優しい時間
抱きしめてくれる腕が暖かかった
あなたと共にいられた毎日が、本当に楽しかった
伝えられない――伝えたい言葉がある
嬉しかった
嬉しかったの
あの日、あなたの瞳に私が映ることで
初めて自分が生きていることを知った
ありがとう――
だから、どうか泣かないでください
私は幸せなのです
この想いをどう伝えたらよいでしょう
どうしたらあなたに伝えられますか……?
もう隣にはいないあなたのために
私は――
願うことしか
歌うことしかできない
だからせめて
あなたの生きるこの世界を
――その証を
守らせてほしい……
それが私の、生きた証
紛うことなき“真実”なのだ