11/31
なつ
連作の第二弾
なくしたものを、掴み取ろうと
その翼を伸ばし、飛び出した――
限りなく青く澄んだ海と
無窮に広がる青い空
そのどちらともつかぬ青の間を孤独に漂い
白き鳥は何を求め彷徨うのか
未だ見えぬ楽園の大地か
それとも自らの孤独を慰める友か
白き鳥はただ、ただ彷徨う
自由に、ひたすらに彼方を目指し
哀しいかな
そこにあるは夢幻の大地
夏の苛烈な日差しが生み出す虚像の楽園
それは束の間現れる白き鳥の願い
彼が捜し求めるモノ
たくさんの仲間、羽を休める場所
白き鳥はただ、ただ目指す
彼方に見える楽園を
孤独に漂いながら