第三十七話:洗礼 -The Makeover-
「……で、弟子……じゃと?」
イヴリスは唖然とした様子で声を漏らした。
「お、おいおいおい!待て待て!ラビ、本気か!?」
ヴェルトールが慌てて割って入る。
「こいつは『邪りゅ』……っ!げふんげふんっ!!」
彼は盛大に咳き込み、冷や汗を流して言葉を飲み込んだ。
危ない。あまりの衝撃に、うっかり正体をバラすところだった。
「……じゃなくて!えーっと、その……そう!見ての通り、ただの子供だぞ!?口は悪いし、態度はでかいし、飯はいっぱい食うし……こんなのを師匠にするなんて、正気か!?」
必死に(そして失礼に)説得しようとするヴェルトール。だが、ラビは一歩も引かなかった。
「はい!年齢や見た目なんて、関係ありません!」
彼女はキッパリと言い切ると、憧れと尊敬の詰まった熱い眼差しをイヴリスに向ける。
「私は……イヴちゃんに、先生になってほしいんです!!」
ラビは胸の前で手を組み、祈るように、けれど力強く宣言した。
「……頭を冷やせ。一時の感情に任せて、妙な事を口走るものではない」
イヴリスは冷静さを取り戻し、腕を組み直して突き放すように言った。
「よく知りもしない者に教えを乞うなぞ、どうかしておるぞ?……大体、我は魔導士ではない。多少の魔法は使えるが、そなたに教えられるご大層な理念なぞ、何一つ持ち合わせてはおらぬわ」
「……いいえ。一時の感情なんかじゃ、ありません」
ラビは首を振り、穏やかな表情でイヴリスを見つめ返した。
「あなたは、弱い私を何度も叱り、背中を押し……勇気づけてくれました。あの言葉があったからこそ、私は顔を上げることができたんです」
ナインたちの甘い嘘ではなく、彼女の厳しい本音こそが、彼女を救ったのだ。
その純粋な感謝の言葉を聞きながら、ヴェルトールはこっそりとシエナに耳打ちする。
「……なぁ。あれって、勇気づけるというより、単にイヴリスが苛立ってただけだと思うんだけど……」
「ううん、違うよ」
シエナもまた、内緒話をするように小声で返し、優しく微笑んだ。
「お兄ちゃんはわかってないなぁ。……イヴちゃんはね、世界で一番優しいんだよ?」
「……世界で一番って……」
釈然としない顔の兄と、確信に満ちた妹。
そのヒソヒソ話を知ってか知らずか、イヴリスはラビに冷静な眼差しを向ける。
「……さっきの『触媒』の話もそうです。あなたは、私に足りないものを……私が諦めていた可能性を、示してくれました」
ラビは言葉を紡ぐたび、育ててくれた養父の顔を脳裏に描く。
『お前が心から尊敬できるような、導き手が現れた時は……』
「それに……これまでの旅でも、優しくしてくれる人はいました。……でも、あんな風に本気で叱ってくれたのは、お爺ちゃん以外では……あなたが初めてです」
甘い言葉は、もういらない。欲しかったのは、目を覚まさせてくれる雷だった。
「私は……お爺ちゃん以外で初めて、心から憧れ、尊敬できる人に出会いました。……私も、あなたみたいに誰かを勇気づけられる、強くて凛とした人になりたい!……だから……!」
彼女は俯いていた顔をバッと上げた。その瑠璃色の瞳が、逃げることなく真紅の瞳を射抜く。
「私をっ!!イヴちゃんの、弟子にしてください!!!」
魂からの絶叫。
彼女は深々と頭を下げ、その姿勢のまま凍りついたように動かなくなった。
「…………」
イヴリスは腕を組んだまま、微動だにしない。
その表情は読み取れず、ただ静かに、頭を下げる少女を見下ろしている。
ゴクリ。 ヴェルトールとシエナが、同時に喉を鳴らした。 張り詰めた静寂が、部屋を支配する。
長い、長い沈黙の後。
イヴリスは勿体ぶるように目を閉じ、やがてゆっくりと口を開いた。
「……ふむ。先程も言った通り、我は本職ではない。特にそなたに教えられるご大層な理念など、思い当たらぬ」
氷のような拒絶。その淡々とした言葉に、三人の表情が一斉に曇る。
ラビの瞳から、宿ったばかりの希望の光がフツリと消えかけた、その時だった。
「――が」
イヴリスは片目を開け、ニヤリと口角を吊り上げた。
「そなたは、誰に頼る事もなく……自らの殻を破り、想いを吐き出した」
彼女は短く、小さなため息を一つこぼす。
「……その心意気に免じて、願いを聞き届けてやろう」
「え……?」
「師となってやる。……精進するがよい」
彼女はやれやれといった様子で、けれど確かな承認を告げた。
―パチィィィンッ!!
瞬間、空気が弾けるような快音が室内に響いた。
「やったな!!」
「やったー!!」
ヴェルトールとシエナだ。二人は示し合わせたように空中で手のひらを強く叩き合わせ、満面の笑みで喜びを爆発させる。
祝福の音の中で、ラビはへなへなと崩れ落ちそうになる膝を必死に支える。
眼鏡の奥、鮮やかな瑠璃色の瞳には、嬉しさと安堵が入り混じった大粒の涙が、宝石のように浮かんでいた。
ラビの感情が落ち着き、涙が乾いた頃。
ヴェルトールはチラリと横でふんぞり返っているイヴリスを見やり、引きつった笑みを浮かべてラビに問いかけた。
「……あのさ。今更また確認するのもなんだけど、本当によかったのか?よりによってイヴリスの弟子になるなんて……苦労するぞ?」
「ふふっ。はい」
ラビは穏やかな笑顔を向け、自身の胸に手を当てる。
「あの人の言葉を聞いていると……私でも、まだまだ成長できる。そんな風に、強く感じたんです……」
彼女はそこで言葉を切り、少しだけ視線を逸らしてポツリと本音を漏らした。
「……ちょっと怖いけど」
「たわけがぁぁ!!」
轟く雷鳴。ラビは「ひっ!」と悲鳴を上げて肩をすくめる。
イヴリスはテーブルを叩き、憤慨して立ち上がった。
「怖くて当然じゃ!我こそは、遍く恐怖を象徴する邪りゅ――んぐぐっ!!」
―ガシッ!!
決定的な単語が出る寸前、背後から伸びたヴェルトールの手が、彼女の口をガッチリと塞いだ。
「んーっ!むぐぐーっ!!」
「ま、まぁラビがいいなら、それでいいんだ!頑張ろうな!」
彼は腕の中でじたばたと暴れるイヴリスを熟練の手つきで押さえ込みながら、強引に話題を変える。
「あぁ、それと!これから俺への敬語は禁止だ!」
「えっ?」
「歳も近そうだし、それに……俺たちはもう、『仲間』なんだからな!」
彼はニッと白い歯を見せ、太陽のような笑顔を向けた。
「……仲間」
その言葉が、ラビの胸にじんわりと染み渡る。
かつてマールスが言っていた言葉。そして、ナインたちによって汚されてしまった言葉。
けれど今、目の前の青年が口にしたそれは、驚くほど温かく、優しい響きを持っていた。
「……うんっ!」
彼女はその響きを噛み締めるように頷くと、泣き出しそうな、けれど最高に幸せそうな笑顔で答えた。
温かい空気が流れる談話室の扉が、音もなく静かに開かれた。
「失礼いたします」
現れたのは、喧騒に満ちたこの宿には似つかわしくない、パリッとした制服に身を包んだギルドの職員だった。
彼は迷うことなくヴェルトールたちのテーブルへと歩み寄る。
「ヴェルトール様、およびパーティの皆様ですね?ギルドマスター、カーツより伝言を預かって参りました」
「あぁ、はい!」
ヴェルトールは居住まいを正し、真剣な表情で向き合う。
「現在、地下にて対象への尋問を行っておりますが……想定以上に時間を要しております」
職員は表情一つ変えず、淡々と事務的に告げる。
「つきましては、誠に申し訳ありませんが……明日の昼頃に、改めてギルドまでお越しいただけますでしょうか?その刻限までには、必ずや『成果』をご用意いたしますので」
「……分かりました。では、明日の昼頃に伺います。カーツさんによろしく伝えてください」
ヴェルトールが承諾すると、男は「失礼します」と深く一礼し、足音を立てずに宿を後にした。
「明日の昼、か……。まぁ、焦っても仕方ないな」
彼は大きく伸びをして、強張った肩の凝りをほぐした。
「特にやることもないし、今日はもう休もう!で、明日は朝からパーッと街の観光でもしようぜ!気晴らしも必要だしな」
三人はヴェルトールの提案に頷くと、重い足取りながらも安らかな顔で、それぞれの部屋へと引き上げていった。
ナインたちとの衝突から始まり、ラビのイヴリスへの弟子入り……。
怒涛のように過ぎ去った長く熱い一日は、穏やかにその幕を下ろした。
一夜明け、朝の港町ザレン。
漁から帰ってきた男たちの威勢のいい声が騒がしくなり始めた頃……
ヴェルトールが目を擦りながら食堂へ降りてくると、そこには既に身支度を整えた三人の姿があった。
「もうっ!お兄ちゃん、おそーい!!」
シエナは腰に手を当て、頬をリスのように膨らませて抗議する。
彼女はとっくに準備を終え、今か今かと待ち構えていたのだ。
「あはは……ごめんごめん!……おはよう!」
ヴェルトールはぴょこんと跳ねた寝癖をそのままに、バツが悪そうに苦笑いしながら手を上げた。
「ふん、やっと這い出してきおったか……」
イヴリスは腕を組み、そっぽを向きながら呆れ果てたように吐き捨てる。
その足元がコツコツと動いているのは、待ちくたびれた証拠だろう。
「お、おはよう……ございます。……あ、えっと」
そして、ラビが一歩前に出る。
彼女は昨夜の「敬語禁止令」を思い出し、もじもじと指先を弄りながら、意を決したように顔を上げた。
「お、おはよう……。……ヴェ、ヴェルくん」
「……!」
言えた。 彼女はカァァッと茹でダコのように顔を赤らめ、恥ずかしさに耐えきれずに再び下を向いてしまった。
「あ、あぁ……おはよう、ラビ!」
ヴェルトールは一瞬きょとんとしたが、すぐに笑顔で返した。
呼び方が変わった。たったそれだけのことで、二人の距離がグッと縮まった気がする。
「レックスさんには昨日伝えてあるから、昼にギルドで合流だ。それじゃあ、出発しようか!」
彼は意気揚々と宿の扉に手をかけた。 だが、その時。
「…………」
イヴリスは動こうとせず、腕を組んだまま、ラビの頭のてっぺんから爪先までを、まじまじと凝視していた。
「あ、あの、何か……?」
あまりに真剣な眼差し。
ラビが居心地悪そうに身を縮こまらせて尋ねると、イヴリスは天井を仰ぎ、肺の中身を全て吐き出すような、深~いため息をついた。
「はぁ~~……。なっておらぬな」
「……は、はい?」
全く意味が分からず、ラビが首を傾げる。
「なっておらぬと言っておるのじゃ!!」
イヴリスは苛立ちを隠そうともせず、ラビを指差して喚き散らした。
「なんじゃ、その地味で、暗くて、無粋な恰好は!!目深なフードに、足の先まである黒茶色のローブ……まるで枯れ木じゃ!そなたには美意識というものがないのか!?」
「え、あ……」
突然のダメ出しに、ラビは困惑して目を白黒させる。
「中はどうなっておる!!」
言うが早いか、イヴリスは返事も待たずにラビの懐に飛び込み、ガバッと容赦なくローブを左右に開いた。
――バサァッ!!
「ひゃ、ひゃああっ!?」
突然の暴挙。
ラビが素っ頓狂な悲鳴を上げて身をすくませるが、イヴリスはお構いなしに中を覗き込む。
そこにあったのは、首元までボタンの留められたシャツに、機能性重視のズボンという、色気も飾り気もない服装だった。
「っかぁ~~~~~ッ!!」
イヴリスは天を仰ぎ、心底呆れ果てたように絶叫した。
「中もなっとらん!!うら若き乙女が、肌の一つも見せぬとは……けしからんっ!!」
「……普通、肌は隠すもんじゃないのか?」
ヴェルトールは頬を引きつらせ、シエナに同意を求めた。
だがシエナは、「お姉ちゃん、遊ばれてるなぁ」と楽しそうにニコニコと笑みを返すだけだった。
「仮にも!仮にもじゃ!我の『一番弟子』を名乗るのであれば!この様な貧相な布切れを纏うことなど、断じて許されぬぞ!!」
イヴリスはビシッと指を突きつけ、高らかに宣言した。
その指の先では、ラビが胸の前で腕を交差させて身をよじっている。
「うぅ……」
恥ずかしさと情けなさで、眼鏡の奥の瞳はうっすらと涙目だ。
「いや、別に……。本人がよければ、なんだっていいんじゃないのか?」
ヴェルトールが素直な感想を口にして助け船を出そうとするが――。
「おぬしは黙っておれ!!」
イヴリスはヴェルトールの方を見向きもせずに一喝した。
「これは我ら『師弟』の問題じゃ!無関係なおぬしが口を挟むでない!」
「うぐっ……」
イヴリスは早速『師匠』の権威を振りかざし、容赦なく一喝した。
「……はぁ。分かった分かった」
ヴェルトールは早々に白旗を揚げ、やれやれとため息をついた。
「それじゃあ、まずは服屋にでも見に行くか?市場に行けば……」
「否!!」
イヴリスは腕を横に振り払い、彼の提案を一刀両断した。
「もはや一秒たりとも、弟子にこの様な『ボロ布』を纏わせて外を歩かせるわけにはいかぬ!」
「えぇ……」
「貴重な魔力を消耗するが……背に腹は代えられぬ!既製品になぞ頼らぬわ、我が直々に『創って』やる!来い!」
言い放つやいなや、彼女は猫でも拾うようにラビの首根っこをガシッと掴んだ。
「ひ、ひえぇぇぇ……!?ヴェ、ヴェルくぅぅぅ……」
助けを求める情けない悲鳴と共に、ラビはずるずると宿の奥へと引き摺られていく。
―バタンッ!!
無情にも扉が閉まり、廊下に静寂が戻った。
「……だ、大丈夫か……あれ」
ヴェルトールは嵐のように去っていった二人を見送り、引きつった顔で呟く。
だが、シエナは兄の心配などどこ吹く風で、ニコニコと親指を立てた。
「大丈夫大丈夫!きっとすっごくかわいくなるよ!楽しみだね!」
しばらくの静寂の後。
ガチャリと扉が開き、大仕事を終えた芸術家のような顔つきで、イヴリスが胸を張って歩いてきた。
「ふふん!我ながら会心のデキじゃ!心して拝むがよい!」
彼女はビシッと背後の廊下を指差す。
ヴェルトールとシエナは、ゴクリと喉を鳴らして期待の眼差しを向けた。
……が。
「…………」
誰も、出てこない。
シーンと静まり返った廊下には、ただ虚空が広がっているだけだ。
「……おい。何をしておる!」
イヴリスは眉をひそめ、廊下の奥に向かって苛立ち混じりに声を張り上げた。
「さっさと出て来ぬか!師の最高傑作を、まさか無駄にする気ではあるまいな!?」
「だ、だってぇ……」
壁の向こうから、消え入りそうな、蚊の鳴くような声が漏れてくる。
「こ、こんな服……生まれて初めて着たので……その……は、恥ずかしい……です……」
ラビは扉の陰に隠れたまま、もじもじと必死の最後の抵抗を続けていた。
「ええい!またしてももじもじと!今すぐ『破門』にするぞ!!」
廊下に響いたイヴリスの怒号。「ひぃっ!?」という短い悲鳴と共に、観念した少女が、おずおずと姿を現した。
そこにいたのは、以前の姿とは似ても似つかない、物語から抜け出してきたような可憐な魔導士だった。
肩口で切り揃えられた、ふわっと柔らかな淡い金色の髪。
その隙間から覗く銀縁の丸眼鏡の奥で、鮮やかな瑠璃色の瞳が恥ずかしそうに瞬いている。
身を包むのは、目の覚めるような純白のワンピースだ。
彼女が身じろぎするたび、スカートの裾にあしらわれた繊細なレースとフリルが、さざ波のように優雅に揺れる。
胸元のリボンと、腰を高く引き締めるベルトは、彼女の瞳と同じ鮮烈な瑠璃色で統一されており、中央にはめ込まれた小さな宝石が淡い光を放っていた。
仕上げに、肩には以前のローブを洗練させたような、短めの黒茶色のケープ。
金の刺繍で縁取られたそれが、ふわりと翻る。
「…………」
そのあまりの変貌ぶりと、破壊的な愛らしさに。
ヴェルトールとシエナは、感嘆の息を漏らすことすら忘れ、ただただ目を丸くして見惚れてしまった。
「……うん!めちゃくちゃいい!すごく似合ってる!」
「かわいいっ!本物のお姫様みたい!!」
息をのんでいた二人が、弾かれたように声を上げた。
その瞳はキラキラと輝き、心からの称賛を送っている。
「そ、そう、かな……」
ラビは落ち着かない様子で、ヒラヒラするフリルの裾を指先で小さく弄り、頬を赤らめてもじもじと身をくねらせた。
慣れない可愛さに、自分自身が一番戸惑っているようだ。
「ふふん!」
その様子を見て、イヴリスは鼻高々に胸を張った。
その顔は、強敵を倒した時よりも、古代の知識を披露した時よりも、未だかつてないほど誇らしげだ。
「我の弟子を名乗るのであれば、それぐらいの衣装、に着こなして貰わねば困るからの。……精進せい!」
「え?あ、はい……が、頑張ります……?」
ラビはこくこくと頷きつつも、頭の上に疑問符を浮かべる。
――……『服の精進』とは、一体どうすれば……?
その釈然としない面持ちに、ヴェルトールたちも苦笑いを浮かべるしかなかった。
「いやでも、イヴリスが用意した服!って感じが全面に出てるよな、それ」
ヴェルトールは、あしらわれたフリルやレースを指差して苦笑する。
明らかに、製作者の好みが色濃く反映されていた。
「えー?すっごくかわいいよ!ねぇイヴちゃん!私も欲しい!私もフリフリ着たい!」
シエナは兄の苦笑になどお構いなしで、目をキラキラと輝かせてイヴリスの袖を引く。
「……今は疲れておる故、シエナのはまた今度用意してやろう」
「やったー!約束だからね!」
気怠そうに、けれど優しく答えるイヴリスに、シエナは満面の笑みで念を押した。
「よし!それじゃあ、ラビの服も準備できたし……ギルドとの約束の時間までは、予定通りザレンの観光に出発だ!」
「「「おー!」」」
ヴェルトールの号令を合図に、四人は宿の扉を勢いよく開け放つ。
まだ空気は澄んでおり、潮風は心地よい。
一行は、活気あふれる朝の港町へと、足取り軽く繰り出した。




