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9 修行 その4

AI(Gemini)利用作品【構想や要旨を作者が考え、それをもとにAIが肉付け、その後、作者が加筆修正を行って掲載しています。】

カインがDランクに昇格し、罠師としての知識を身につけてから数ヶ月が経った。彼の心の奥底には、『時間遡行』の代償として失われた記憶と、それによって生まれた孤独感が深く刻まれていた。しかし、その痛みは彼を停滞させることはなかった。むしろ、復讐という揺るぎない目的のために、どんな犠牲も厭わないという決意を強固なものにしていた。



その日、カインは冒険者ギルドの掲示板で、新たなダンジョン【嘆きの迷宮】の探索依頼を見つけた。Dランク冒険者向けの依頼で、ソロでも挑める難易度だ。罠師としての腕を試すには絶好の機会だと判断したカインは、迷わず依頼書を手に取った。


「よし、ソロで行くか。」


受付嬢のミリアに依頼書を提出し、ダンジョンへと向かう。ダンジョンの入り口は、巨大な岩壁に隠された洞窟のようだった。内部は薄暗く、じめじめとした空気が漂い、足元には苔が生えて滑りやすい。


奥へ進むにつれて、カインは幾度も罠を発見した。天井から落ちてくる巨大な岩の罠、床に仕掛けられた毒矢の罠、そして、足元の地面が突然崩れる落とし穴の罠。これらは、無知な冒険者の命をいとも簡単に奪うだろう。しかし、罠師としてジルに教え込まれた知識を持つカインにとって、それらはもはや脅威ではなかった。


「この床のわずかな色の違い…これは隠された落とし穴の証拠だ。」


彼は慎重に床を踏みしめ、罠を避けていく。ときには、罠そのものを解除し、後続の冒険者が安全に進めるように配慮することも忘れなかった。ジルから教わった、異なる種族ごとに最適な罠の知識が、ここでも大いに役立った。


ダンジョンに棲息する魔物の習性や行動パターンを読み解くことで、どこに罠が仕掛けられているかを予測できたのだ。カインは、まるで迷宮の地図を頭の中に描いているかのように、スムーズに探索を進めていった。


深い迷宮の中を進んでいくと、遠くから話し声が聞こえてきた。カインが物陰に身を隠して様子を窺うと、そこには一組の冒険者パーティーがいた。彼らは、地面に仕掛けられた毒矢の罠に苦戦しているようだった。


パーティーのリーダーらしき女性の冒険者が、負傷した仲間を介抱している。彼女たちの周囲には、警戒するように剣を構える仲間たちの姿があったが、皆、疲労困憊の様子だった。


「チッ、また罠だなんて。もう何個目よ!」


「この毒、解毒薬が効きにくい…もう、引き返した方がいいんじゃないか?」


「でも、ここで引き返したら、今までの苦労が水の泡だわ…!」


彼女たちの会話から、このパーティーは罠に悪戦苦闘し、負傷者まで出てしまい、探索を続けるかどうか迷っている最中であることが分かった。カインは迷わず、彼らの前に姿を現した。


「そこの罠は、床のわずかな凹凸が鍵になっています。その毒は、この薬草で緩和できます。」


カインはそう言いながら、ポケットから薬草と、宿屋で携帯用に作っておいた薬膳料理を取り出し、負傷者に手渡した。負傷者は、カインから受け取った薬草と料理を口にすると、みるみるうちに顔色が良くなり、傷も塞がっていった。パーティーの面々は、その驚異的な回復力に目を丸くした。


「あなた…まさか、あの『木漏れ日の宿』の料理人!?」


「それに、なんでこんな罠のことが分かるんだ!?」


彼らの驚きと感謝の言葉に、カインは少し照れくさそうに首を振った。そして、話の流れで、カインもこのダンジョンを探索していることを告げると、パーティーのリーダー、レジーナという名の女剣士が、目を輝かせてカインに提案した。


「もしよければ、私たちと一緒に探索を進めてくれないか?あなたの罠の知識と、あの料理があれば、きっとこの迷宮を攻略できる!もちろん、報酬は分け前を渡すわ!」


カインは少し考えたが、彼らの力量を測るためにも、一度パーティーを組んでみるのも悪くないと考え、承諾した。そして、探索のスペシャリストであるカインは、斥候を務めることになった。彼の罠師としての知識と、持ち前の素早さ、そして新しい短剣の切れ味は、パーティーの窮地を何度も救った。


そして、ついに迷宮の最奥部。そこには、巨大なロックゴーレムを上回る大きさを持つ、見る者を威圧するような巨大な狼が鎮座していた。その名を【ギガントウルフ】。


ギガントウルフは、その巨体から繰り出される爪と牙だけでなく、闇の魔力を纏った咆哮で、パーティーを翻弄する。


「チッ、魔法が効かない…!こいつ、魔力耐性があるのか!?」


リニアと同じように、魔法使いの女性が叫んだ。カインは冷静にディープウルフの動きを観察し、的確な指示を出す。


「前衛は、牙の攻撃を誘い込んで!後衛は、闇の魔力から身を隠しながら、狼の動きを制限して!」


カインは、この戦闘では『時間遡行』を使わなかった。代わりに、彼の持つ全ての知識と技術を総動員した。罠師としての知恵、剣士としての技、そして薬膳料理で培った体力と精神力。そして、最も重要なのは、パーティーとの連携だった。前衛の剣士が狼の攻撃を引きつけ、後衛の魔法使いが足元に氷の壁を作り、カインがその隙を突いて、懐に飛び込む。


「今だ!」


カインの掛け声と共に、パーティー全員の攻撃がギガントウルフに集中した。ギガントウルフは咆哮をあげながらも、その巨体を支えきれずに崩れ落ち、ついに討伐に成功した。その残骸の中から、青い光を放つダンジョンコアが現れた。


「やったわ…!まさか、本当に討伐できるなんて!」


「カインさんのおかげだ!本当にありがとう!」


パーティーの面々は、興奮と安堵の入り混じった表情でカインに感謝の言葉を投げかける。しかし、カインはダンジョンコアを手に取ることはなかった。それは、魔法の威力を高めるものであり、通常の魔力を持たないカインにとっては無用の長物だ。


「これは皆で分け合ってください。俺はこれで充分です。」


カインはそう言って、ダンジョンコアを彼らに託した。そして、他に手に入れた毛皮などの素材をギルドで売却し、復讐のための資金に充てることに決めた。


ギルドに戻ったカインを、レジーナたちは待ち構えていた。彼女は深々と頭を下げた。


「カイン、本当にありがとう。あなたがいなければ、私たちは命を落としていたかもしれない。…もしよければ、私たちと一緒にパーティーを組んでくれないか?」


レジーナの目は真剣だった。カインは少し迷ったが、彼の目的はあくまでも【悪夢】への復讐であり、他人を巻き込むわけにはいかない。


「お誘いは光栄ですが…俺には、一人で果たさなければならない目的があります。皆さんの足を引っ張るわけにはいかないんです。」


カインの言葉に、レジーナは少し寂しそうな表情を浮かべた。しかし、彼女はすぐに笑顔に戻り、カインの手を握りしめた。


「そう…。そうよね。でも、覚えておいて。私たちはいつでも、あなたを待っているわ。絶対に諦めないから!次も必ず誘うわよ!」


レジーナの強い意志が、カインの心に温かい光を灯した。カインは静かに頷き、ギルドを後にした。彼の復讐の道は、決して孤独なものではなかった。しかし、彼は、いつかまた『時間遡行』を使う時、この温かい光さえも失ってしまうかもしれないという不安を、心の奥底に抱えながら、新たな決意を胸に、宿へと帰路についた。

《カインの現在の能力値 ~9を終えて~》

★日課・ダンジョン攻略によりステータスアップ

①名前 → カイン

②種族・年齢 →人間・14歳

③職業 →メイン・時を操る剣士 

     サブ・薬膳料理人、罠師

④ギフト → 無し

⑤レベル 40

⑥HP | 740/740 |  Dランク冒険者平均500

⑦ MP | 0/0 |    〃平均250

⑧ 特殊魔力 | 0/500 |  〃平均300

⑨ 攻撃力 | 410 |     〃平均300

⑩ 防御力 | 350 | 〃平均250

⑪ 素早さ | 290 |   〃平均200

⑫ 精神力 | 470 |     〃平均150

⑬ 運 | 100 |       〃平均50

⑭ 特殊技能 | 時間遡行| 代償「犠牲の誓約」

⑮冒険者ランク D

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