エピソード16 前世の事(1)
その日の夕方
ルミナスはルークに貰った月長石の指輪を
薬指にはめ嬉しい気持ちを抱きながら眠りについた
15年よりもっと前
ハァハァ……
(急がなきゃ……もし間に合わなかったら……)
廊下を走る一人の少女がいた
その手には缶珈琲が握られている
(後十秒……間に合わない……)
少女が走り到着した場所には
ガタイの良い少年達が待っていた
少年達「おいおいおい!」
「10秒遅刻だぜ~?」
「どうなってんだよ? あ゛?」
少女「すみません……」
少年「ちゃんと買ってきたんだろうな?」
そう言われると少女はスッ……っと
震える手で缶珈琲を差し出した
すると少年の中でも主犯格
らしき人物が乱雑に缶を受け取ると一口飲んだ
直ぐ様少年が少女に怒鳴った
主犯格「んだよこれ冷めてんじゃねぇか!」
「こんなもん飲めたもんじゃねぇ」
そう言うと残りの中身を少女にかけた
白い制服が珈琲で染まっていく
少女「ごめんなさいごめんなさい……」
少女は涙ぐみながら謝る
少年達「マジゴミだわw」
少年達は少女を嘲笑いながら蹴り始めた
蹴られて泥だらけに成った少女を
見下げながら主犯格が良い放った
「使えない無能乙w」
「あっ!呪うなら無能な自分を呪えよぉw」
其れだけ言うと少年達は去っていった
少年達が居なくなったことを確認すると
少女からは涙が止まらなく成っていた
何故泣けるのか少女には判らなかった
自分が全て悪いと思い込んでしまっている為
自分が泣いている理由が判らない
そんな時にいきなり声を掛けられた
?「大丈夫?」
顔を上げると其処には顔の整った少年がいた
少女は少年を知っていた
少年の名は冬山 雪
学年トップの人気イケメン生徒だ
そんな人気者にこんな姿を見られたため
少女は思わず顔を隠した
雪「君……2組の桜木さんだよね?」
「どうしたの?」
桜木……そう少女の名前は……
桜木 花絵
花絵「……」
雪「もし良かったら……僕に話してくれない?」
花絵「……はい」
「えっと……その……」
「何て言うんでしょうか?……その……」
「イジメ? でしょうか」
イジメその言葉を発したその時
雪の目付きが変わったような気がした
雪「其れは……本当かい?」
「其れは誰がやっている?」
「教えてくれないか?」
花絵「あっ……えーっと……」
「リーダーは多分……だったと思います」
雪「……成る程有難う」
何かを企んでいるような気がしたが
上書きするように話を続けられた
「そんなことより……」
「何でそんなに汚れてるんだ?」
「珈琲と泥まみれじゃないか!」
「ソイツらに蹴られたのか?」
「……アイツら……可愛い顔が台無しじゃないか……」
(?)
花絵「今何か言いました?」
雪「いや何も……」
「兎に角今は此を羽織っていてくれ」
「新しい制服持ってくるから……」
そう言うと雪は自分の学ランを掛けた
……そう言えば雪は理事長の息子だったけ?
……そうだから新しい制服を持って来られるんだ
数分後に雪は新しい制服を持ってきた
「さあ此れに着替えるんだ」
制服を渡すや否や花絵を更衣室に押し込んだ
「着替えられた?」
花絵「はい……一応」
雪「じゃあ……其れ上げるから」
「次イジメられたら僕に遠慮なく言ってくれ」
「と言うか絶対言ってくれ!」
其れだけ言うと彼は教室に帰ってしまった




