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理事長の息子は権威を笠に着て練り歩く  作者: 大魔王ダリア
第一章 「想いの灰は見つからない」
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夜の出来事

短いです。1400文字くらいです。

その日、唯光は登校しなかった。


柳一は落胆したが、また明日でいいかと思い直した。今日は木曜日だから、明日は会えるかもしれないと。風邪を引いたにしても、ずる休みにしてもいずれはまた会えるだろうから、その時に話をしよう。


祭も唯光が登校してないことを把握していた。彼女の頭にはずる休みをしているのではないかという疑惑は浮かばなかった。唯光を不良、無法者、無頼漢と思いながらも彼の言葉を信用しているのだ。彼がさぼらないと言ったら、さぼらない。彼は卑怯なことも相当しているが、はっきり約束したことを次の日に反故にするような人間ではない、信じている。




結論から言うと彼の休校理由は頭痛だった。二、三か月のスパンで来るひどい奴で、この時ばかりは唯光も自室で無様に叫びながら転げまわる。このことは理事長と保健医のみが知っている。筆舌に尽くしがたい激痛だが、三時間ほどで症状は治まる。もっとも、十分もたつ頃には汗まみれになって気絶しているが。



何もなければ、金曜日はいつもの日常に、学園生活に戻れるはずだったのだ。


何もなければ。












*********************


「望~。早く来なよ~」

「待ってよもう。部活は終わったんだし、そんな走らなくてもいいじゃん」


望が小走りに近づいてくる。疲労が濃いから、引きずるような足取り。確かに今日はものすごく疲れた。いつもなら白々しさが残っている空も、今日は真っ黒だ。雲が多いから、星は見えない。陸上部の練習が、一時間以上長引いたのだ。


「あーもう、真っ暗じゃん。疲れたけど、体に鞭打ってパパッと帰ってベッドに飛び込んだほうが賢明だね。うう、足が痛い」

「あたしもだよ。ほら、肩、貸してあげる」

「ありがと~」


小柄な望が肩に腕をまわすと、なんだか余計に歩きづらそうだ。足首を痛めないといいけど。




「あー、そういえばしあさっての日曜なんだけどーーーーーーーーーンァッ!」



何かが飛び出してきた。望の体が離れる。え、なに、なんなの。飛び出してきた何かが望を突き飛ばしたのだ。直後、ガフッという鈍い音とくぐもった呻きが聞こえる。

誰?

体が左に引き寄せられて、視界が本当に真っ暗になる。体が動かせない。何かが拘束している。

???抱きしめ、られてる?え、なんで?変質者?でも、ここ校内だよ?


もがく。でも、抜け出せない。このままじゃ・・・

疲れた体で暴れると、少しだけ顔が浮いた。目の前の、不審者の服の一部を見て愕然とする。


え。これって。うそ。


その時、拘束の力が緩まった。本能的に、後ろに倒れ込む。足が、体が動く。

逃げなきゃ。早く、逃げなきゃ。


走った。あれだけ疲れていたのに、家まで一歩も止まらずに走り続けた。家についたら、家族に挨拶もせず部屋に入って布団を頭からかぶる。

体が、顫える。凍えたように顫えながら、眠りにつく。兄の声が聞こえる気がするが、わからない。

ああ、眠い。

足が、痛い。


あれ、何か忘れてないかな。






*******************


やってしまった。

ついに、ついに。

己の欲望のままに行動した結果が、目の前にある。

表情の変わらない少女。僕がしでかした、行為の残骸だ。


でも、僕は悪くない。悪くても、間違っていない。だって、これは愛情の結果なんだから。この光景こそが、僕の想いの結末だ。


これは、僕だけのもの。たとえ形が変わっても、君のことは見つけ出してみせるよ。





炎に包まれてゆく少女を眺めながら、僕の目から涙が流れ落ちた。

というわけで、事件編。ミステリもどきで書いてますけど、クオリティは期待しないでください。あくまで、なんちゃって不良君が悪党を追い詰める痛快?物語です。トリックを考える力量、拙者にはないのだ。

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