私と友達がいない幼馴染
ユイ視点です
私は金子結衣
今高校二年生でピチピチのJKよ。
今幼馴染のはるとぉの家に、はるとぉを起こしに来たわ。
ハルトと私は家が隣同士だから、行き来が楽ね。
でも、階段を登り終わったところではるとぉと目があってしまった。
前髪が長いから顔全部が見えるわけじゃないけど
ドクン..ドクン..ドクン..ドクン..
かわいい、寝起きのはるとぉはかっこいいより、かわいいが似合うわね。
「あら、今起こそうと思ったのに、自分で起きてきてしまったのね。」
今まで一回も起こせたことはないけれど
「うん。いや、今まで起こしてもらったことはないと思うけど。」
「そうね。しっかりしてるってことなのだけれど、主人公にあるまじき行為ね。」
今は起こせたことはないけれど
け、結婚したらいつでも起こせるし。
「でも、結婚したら私がちゃんと起こすからもっとゆっくりしてていいのよ。」
「え?」
「......」
ドクッドクッドクッドクッドクッ(心拍数上昇中)
やばい声に出ちゃった。
は、恥ずかしい。
これはもう告白するしかない
そう思い、チラッとはるとぉを見ると
怪訝そうな顔をしていた。
おそらく気づかれてないのだろう
こういう場面は鈍感なんだからまったく。
そんな朝から心拍数を上げながら昼食のお弁当をはるとぉと私の分を作り、今日も学校へ向かう。
ハルトの隣を歩きながら思う。
学校でのハルトの立場は良くはない。
1年のときに私はかなりの人数の男子に告白された。
そして玉砕していった男子たち、主にクラスのカースト上位層のチャラい奴らがハルトに嫉妬し、いじめの標的にされかかっていた。
これが1年の6月ごろ
1年の時も私とハルトは違うクラスだったが、
しかしその動きに気づかないほど
私は鈍感ではない。
私は本格的にいじめが始まる前に峯岸や他数名を呼び出して、釘を刺した。
でも、注意をして逆に悪化してしまうなんていうケースもあるらしいので、加減がよくわからなかった。
結果無視や陰口が定着してしまった。
中学の時はこんなことなかったのに...
ごめんなさいハルト...
「シャンプー変えた?」
いきなりハルトから質問された。
「えぇ、気づいたのね」
「前のシャンプーもいい匂いだったけど、
今のもいいね。」
ッッッ......
さっきまで申し訳ない気持ちだったのに
顔が緩んでしまうわ。
い、いい匂いはやばいわよ。
う、うれしい......じゃなくて
セクハラ案件じゃない?
「し、シャンプーの変化に
気づいてしまうなんて、
主人公にあるまじき敏感さね、良くないわよ。」
幼馴染として正すべきところは正しておかないと
「やっぱりダメだったか。」
「えぇ、ダメね。」
私は心を鬼にしてはるとぉの認識の甘さを正す。
お義母さんから、はるとのことよろしくねと言われている。
その信頼を裏切るわけにはいかない。
「……」
だ、ダメよ。
いい匂いって言われて、うれしいからってもっと褒めてもらおうとしては......
お義母さんからハルトのこと任されているのだから。
ドッドッドッドッドッドッ(心拍数上昇中)
「……やっぱりダメじゃない
もっとほめてぇ」
............やってしまった。
また自分に負けてしまったわ
もっとしっかりしないと
とにかくハルトの風当たりがこれ以上強くならないようにしないと。