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サポーターカード、召喚!

「ここが宿屋シェイムよ」


緊張している間に着いてしまったようだ。ただ今晩泊めてもらうだけなのになんで緊張してるんだ僕は。


宿屋は4階建てで、1階はレストランのようになっている。門からそんなに遠くない場所に建っているので人通りがなかなか多い。部屋は空いているのだろうか。もし空いてないなら部屋を探さなくてはならない。


「入りましょう」


後ろについて入っていくと、中にはミーナの両親らしき人達が立っていた。


「ただいま!」


ミーナの言葉に反応して二人同時にこっちをむいた。


「どうだった!?」


男の人が心配そうな顔で話してきた。


「村が盗賊に襲われてたの」


その瞬間、顔が青ざめていった。自分の故郷が盗賊に襲われたんだから当たり前だ。


「待って!安心して!この人が助けてくれたから!」


そう言って僕を紹介した。二人とも驚いているが、娘が言っているので信じてはくれたみたいだ。


「ありがとうございます!なんてお礼を言ったらいいか!」


何度も頭を下げられた。1日に二回も感謝されるのはこれが初めてだ


「いえ、たまたま居合わせたので...」


「それでも助けていただいたことには変わりありません。よろしければ今日はうちの宿に泊まっていってください。」


こっちから頼みづらかったので相手から言ってくれたことにホッとすると、すぐに返事をした。


「ありがとうございます。宿を探す手間が省けました。」


「部屋は一番上の階の部屋をお使いください。これが鍵です」


鍵を受けとると、お礼を言ってミーナに案内してもらった。


「学院に帰るのが明後日なの。推薦はその時にするから、明日はゆっくりしててね。」


「わかった」


明日は最初にこの能力の研究をしよう。テストがどんなものかはわからないが、簡単なものじゃないはずだ。


「この部屋よ。あたしは店の手伝いに戻るから。それじゃ、おやすみ」


「うん、おやすみ」


少し照れくさかったけど返事をしてから部屋に入り、ベッドの上に倒れた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


朝起きてから、色んなカードを召喚してみた。どうやら同じカードは4枚までしか召喚できないらしい。他にも制約は無いかさがしてはいるが、お腹が空いてきたのでとりあえず腹ごしらえをしてからにしよう。


階段を降りて1階に行くと、レストランの席が全て埋まっていた。


「おはよう!よく眠れた?」


話しかけられたので振り向くと、ミーナが立っていた。恐らく今着ているのは店の制服だろう。


なるほど、男ばかりだと思ったらこれが目当てか。見るからに看板娘という感じだ。


「うん。おかげさまで。手伝おっか?」


「いいや、大丈夫よ。お客様なんだからゆっくりしてて!」


そうは言っているものの、かなりしんどそうだ。朝からこの忙しさは看板娘効果だろうか?


大丈夫と言われたがちょうどいいタイミングなのでとあるカードを試してみることにした。


「よし!」


頭の中でカードをイメージし、手に具現化した。

さあ、どうなるか。


「召喚!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

サポーターカード「伯爵家のメイド」・レア

・このカードを召喚した時、山札からレベル2以下の魔法カードを手札に加える。そのあと山札をシャッフルする

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


煙とともにメイドが4人出現した。そしてオーダー、テーブル片付け、さらに皿洗いまでしだした。


「よし!成功だ!」


四人とも店の手伝いをしている。何も命令していないのに動き出したのは、召喚する時に心を読み取ったのだろうか。とりあえず召喚したあとに時間を取られないので戦闘でも召喚できそうだ。


「こ、これってワタルがやったの?」


ミーナの大きな目がいつもより更に大きくなっている。


「うん。初めてやってみたんだけど上手くいってよかったよ。」


そう言ったらもっと目が大きくなった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ピークの時間も過ぎたようで、席も埋まっているのが半分ほどになった。


やっとお腹を満たすことができたので、少し街を歩いて見ようと思い、店を出た。すると、後ろからミーナがついてきた。


「街を見るならあたしが案内するよ」


1人だと迷子になりそうなのでお願いすることにした。


「この辺りは門から近いから宿屋が多いのよね。外から来た人が泊まっていくの。そしてもう少し城の方に歩くと酒場が増えてくるわ」


確かに大きな荷物を持った人が多い。あの重さで街を歩くのは相当疲れそうだ。僕も大きな荷物を持っていたら高くても門の近くの宿屋に泊まるだろう。


「あなたって、凄いのね。3体も召喚したのに涼しい顔してるんだもん。びっくりしちゃった」


「そんなことないよ。ははは...」


貰い物の力なので自慢する訳にはいかない。今後は2人が限界ということにしておこう。


「召喚師っていうのは、どれだけの使い魔を同時に召喚できるかによってすごさが決まるの。大体の召喚師は1体できれば上出来、3体召喚できる人は先生位なのよ」


やっぱり1人が限界ってことで。


「きゃああああああ!」


どうやってごまかそうか考えていると、突然前の方から悲鳴が聞こえてきた。





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