王都に行けるかな?
やっぱり女の子出さないとダメかなと思って登場させることにしました。
村の人達は全員口と手足を縛られた状態で一番大きな家に監禁されていた。
全員の拘束を解いたあとなにがあったのかきいてみた。どうやら盗賊団に襲われてしまったようで、抵抗もむなしく全員捕まってしまったらしい。
見たところ、村の平均年齢も高めのようで若者が全くいない。皆40代以上だ。
それにしても、初めての戦闘でここまで上手く立ち回れるとは思ってもみなかった。というよりいきなり戦闘になるなんてびっくりした。
それに、剣を見てもあまり恐怖はなかった。全くなかった訳ではないが、一度死にかけ、更に一度死んでいるので「死ぬ」ということに鈍感になっているのかもしれない。カード具現化の能力を使える安心感も大きいが。
「助けていただきありがとうございます!このご恩は決して!決して忘れません!」
見るからに村長らしき人が話しかけてきた。どことなくあのお爺さんに似てるな。髪の毛はふさふさだけど。
「いえ、僕もいきなり襲われたので。一つお聞きしたいのですが、ここから一番近い街にはどの方角に行けばいいですか?」
「それなら、あの方角の山を越えて3日ほど歩いた距離に王都エヴァンがごさいますよ。」
お爺さんは後ろの方角を指差してそう言った。
王都か。そこならこの世界の色んな情報があるだろうし、住める場所もなんとかなりそうだ。歩いて3日かかるなら、箒だともっと速く着けるだろう。
「王都になにかご用ですかな?」
「はい。少し知りたいことがありまして」
別の世界から来たとはさすがに言えないのではぐらかした。
「それでしたら王都のシェイムという宿屋をお訪ねください。私の息子夫婦が営んでおりますので、なにかお力になれるでしょう。」
よかった。これでなんとか夜は快適に過ごせそうだ。
「ありがとうございます。それじゃあすぐに出発しま」
「待ちなさい!」
村の入り口から女性の、しかもかなり若い声が聞こえた。
振り向くと、黒髪でサラサラのロングヘアーの少女が立っていた。背はほとんど変わらないくらいの高さで目が二重で大きく、まるで芸能人の様だ。
「あなた誰かしら?この状況を説明してくれない?」
檻を指差して少女はそう言った。
同じくらいの年なのに凄い眼力だ。