初めての戦闘
3話を間違えて2回投稿しちゃったんですけど、消しかたがわからないのでわかるまでそのままになるかと思います。すいません!
この世界に来て大体一時間ほどたった。今ではこの箒の扱いにもだいぶ慣れ、カード具現化の能力の使い方も大分わかってきた。
この能力は、一度具現化したら僕が心のなかで解除するまでずっと残るらしい。さらに召喚限度枚数もないようで、一度に10枚ほど召喚することもできた。
一番驚きなのは召喚する際、特に制限や必要なものがない、というところ。つまり、魔法も打ち放題、アイテム、分身も召喚し放題、というわけだ。
全く素晴らしい能力だ。こんなとんでもない力がいくらでも使えるなら、死んでしまったのも悪くないかもしれない。あのお爺さんに感謝しておかないと。
「そういえば、声聞こえなくなったな...」
この一時間あまりにも楽しくて忘れていたが、お爺さんの声が聞こえなくなっている。
「まあ大丈夫か。あの透明の箱でいつでも見れる訳だし」
という訳で心のなかでお爺さんに改めて感謝の言葉を言うと、僕は箒に乗った。
まずはこの世界の情報を知りたいので、街に向かおう。箒の練習をしていたときに村が見えたので、街はどこにあるのか聞くためにその方向に向かって進み始めた。
「よーし!」
箒を固く握り直すと、背をかがめて速度を上げた。この調子なら二、三分でつけるだろう。
二分後、村の入り口につくと箒を降りて能力を解除した。遠くから見ていたのでわからなかったが入り口に人が見当たらない。
更に奥に入っていった。それでも人の姿は見当たらない。
「どうなってるんだ?」
人がいないにしては家がきれいすぎる。まるで人だけ消えてしまったみたいだ。見るからに怪しい。念のためにカードを装備しておこう。
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アイテムカード「筋力増強の指輪」・レア
・このアイテムを装備した分身は攻撃レベルが2上がる。
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カードを装備した瞬間、家の間の物陰から剣を持った10人の男が出てきた。周りを囲んで今にも僕に飛びかかって来そうだ。
「なんの用だ!」
リーダー風の男が僕に話しかけてきた。
「僕は街に行きたいからこの村に方向を聞きに来ただけです。」
男はニヤリと笑い僕の指輪を見てこう答えた。
「教えてやってもいいが、代わりにその指輪を置いていきな」
僕はすぐにこう答えた。
「嫌です。」
男は僕を睨み付けると部下たちに命令した。
「殺して奪え!」
男たちは声を荒げながら向かってきた。16才の子ども相手に大人10人がかりなんてなかなか大人げない。
ギリギリまで引き付けて僕はおもいっきりジャンプした。5メートル近く跳んで下を見ると、全員口を開けて情けない顔でこちらを見ている。
僕は間髪入れずにカードをもうひとつ召喚した。
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アイテムカード「黒鉄の檻」・レア
・相手の攻撃レベル2以下の分身カードの動きを1ターン封じる。
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ズンッ!という音とともに檻が具現化された。サイズはぴったりだったようで10人きれいに収まっている。
僕は檻の上に着地すると一息ついた。
「ふう」
どうやらこの世界の治安はあまりよくないらしい。