表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私はレティ  作者: 喜多蔵子
3/29

3  私の日常

 あれから二年。シア様がロック領に来て四年が経ちます。とはいっても、療養のためにいるのは夏から秋の間だけ。冬から春の間は南にあるメイフィールド公爵の直轄地に帰っているのだが··。

 そのため、クリス様、アンジェ様は毎年夏の終わりに二週間程滞在してクリス様は北部ガーネット公爵の直轄地へ、アンジェ様はシア様と同じ南にあるハイライト辺境伯の領地に帰っていきます。

 そうお三方は今日帰られました。寂しいです。来年の春には王都にある学園に通い出すため、アンジェ様にはお会いになれますが、病気療養中のシア様とクリス様には会えません·····泣いていいですか。



 ロック領は東部を管理するトレシリアン公爵家の治世下にあり、しかも端の端。すぐ横にある山脈のおかげで他国と国境を接しているにも関わらず辺境伯家の領地ではなく男爵家の領地となっている。気候が温暖で、風光明媚な街並み、美しい湖に、長閑な田園、猛々しくみえる山脈。300年前当時、戦争で傷付いた王弟殿下がたまたま通過中に、あまりの美しさにこの土地で療養したことから、『心と身体に傷付いた者はロック領で療養する』という一大ブームが巻き起こった。以来騎士団所属の荒くれさんとか、騎士団所属の下位貴族令息とか、騎士団所属のおじいちゃんとかがよく来るようになった。更に100年前に王族の第六殿下でありながら画家という変わり者が『王国一美しい景色を見たいならロック領に来るべきだ』と言って下さったおかげで平民の裕福なご家族や、裕福な下位貴族、裕福な中位貴族も来るようになった。

 ロック領は意外に潤っている。それでも上位貴族はトレシリアン公爵家以外は来ない。ところがシア様が療養に来てから上位貴族のクリス様、アンジェ様と知り合うことができた。

 私は男爵令嬢だから子爵令嬢、男爵令嬢、平民のお友達も多いのだが、全員お上品とは程遠い。お三方が帰った後はすぐに子爵令嬢、男爵令嬢、平民のお友達を集めてマナー講座と言う名のお茶会をして寂しさを紛らわしている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ