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私はレティ  作者: 喜多蔵子
21/29

21  何がなんだかわからない

短いです。

 平和は一瞬。でも、不愉快な人達に会うことがないので満喫しました。

 

 平和は過ぎ、メアリーと愉快な仲間達が再び学園に戻って来ました。私はいつも通りクラスの女子の方々と食堂で昼食を楽しんでいます。

 ところがなんと、私のもとに殿下が来たのです。後ろにメアリー嬢もいます。私は実際殿下を近くで見たことがなかったので物凄くビックリしました。

 でも折角の機会なのでまじまじ視てみようかしら。うん、美形。巷で絵姿が出回っているが、その絵姿より格好いい。プラチナブロンドに深い青の瞳。オノリア嬢の趣味の殿下鑑賞も納得。眼福眼福。あまりジロジロ視るのは淑女としてマナー違反。私は実際0.3秒で殿下観察をやめ、席を立ち、淑女としての礼をとろうとた。しかし立ち上がる前に殿下に制されて、

「学校内なので結構。」

 殿下は、周りにいるクラスの女子達に挨拶をして、そして再び私に向き合った。私は淑女のマナーとして扇で口元を隠した。殿下は目をそらす。

「最近いろいろな噂を耳にした。正直耳を疑うような噂ばかりであり得ないという思いだった。そんな女性でないと信じていた。何か事情があるのではと···。」

 噂って何?メアリー嬢限定の噂は嘘ですよ。殿下が拳を握りしめている。なぐらないよね。

「先日の件も····。」

 先日ってどれのこと?もっと分かりやすく。あれ、殿下、様子が、変。

 殿下はうつ向いて私を見ない。声が弱い。

「よくわかった。私も今後の事を考えたい。」

 何かを決心したような表情。よくわからないがその場から去って行った。

 メアリー嬢、そんな勝ち誇った顔しちゃ駄目。みんな見てるよ。嬉しそうな顔して、あ、殿下の腕に絡み付いた。凄いね。


「噂って何?あれ何?」


「昨日婚約者と二人きりで出掛けたことでしょう。」

「淑女としてあるまじき行動。ユリア先生に報告しましょう。」

「侍女を同伴させないなんて。はしたない。羨ましい。」

「違うよ。刺繍の件でしょう。先生が探しいてたよ。あるまじき腕。」

「···。先生が探してた?この前の課題の刺繍なら提出したのに?」

「だから、花が花に見えないって。」

「花は花でしょう。我が家の花。黄色い菫。」

「あれ、菫だったの?黄色い球の刺繍かと思った。」





「でも、婚約者と二人きりで会うことと、刺繍の件、どちらにしても殿下に関係ないよね?」

 よくわからない。王族って理解できない。とりあえず刺繍の先生を探さなくては。職員室に行けばいいかしら?







 翌日、朝の食堂で、つまり寮の食堂でひとつの噂話が蔓延していた。

 昨日の放課後、メアリー嬢が階段から落ちたらしい。

最後に向けてレッツゴー

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