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私はレティ  作者: 喜多蔵子
14/29

14  不愉快な事件ファイルNo.3

 クラス全員『流石に無理がある。』と心の底から思いました。


 昨日はマナー教室へ女子全員で移動しました。

 男子は中庭なので暫くしてから全員で移動したそうです。

 その時点では教室内は普通。

 授業が終わる前に、メアリー嬢だけマナー教室を出ていって、メアリー嬢がクラスに戻ったあと、クラスの男子が戻り、その後女子全員が戻る。

 つまりクラス全員犯行をする時間がない。

 普通に考えれば『他のクラスの人が犯人』なら噂としてあり得るのだが『エリノア嬢が犯人』は悪意がありすぎで、クラス全員、一番最初にクラスに戻ったメアリー嬢の『自作自演』ではという結論に達しました。


 でもエリノア嬢はこの噂に耐えられず、直接メアリー嬢に真実を確認するため、呼び出すことにしました。私、某子爵令嬢、某伯爵令嬢同席のもと、いつものサロンの裏庭にて。

 あ~面倒くさい。面倒くさい。


「挨拶は初日に致しましたので省かせて頂きます。

 二つほど確認させて頂きます。

 ひとつは、なぜ私がメアリー様のノートを破いたという噂が流れているのでしょうか。騎士科の生徒が「メアリー様が『私が破いているところを見た』と言った」っと言い振らしております。

 ふたつめは、婚約者がいる男性と二人っきりになることましてや触れるのはマナー違反であると、ここにいるレティ様から注意を受けたと思うのですが、なぜ、改善されていないのでしょうか。」

 おっと、この前のことね。私達同席した三人で首を縦に振り、そして、メアリー嬢の返事を待った。メアリー嬢は『ふ~ん』と言って、笑顔で、笑顔で、意地悪そうな笑顔です。人差し指をエリノア様に向けて、

「私が言ったことが真実。あんたがノートを破いた。

だいたい手を繋いだぐらいで何。その態度。モテナイ女っていやね。嫉妬深くて。

だからルドルフ様に嫌われるのよ。言ってたわよ、婚約者がいろいろ言ってきて、五月蝿いって。可愛いげがないって。わかるわ~、だってあんた可愛くないもん。

私の方がずっとずっと可愛いって彼も言ったもん。

あ、約束の時間に遅れちゃう。もういいわね。今日ルドルフ様とデートなの。じゃあね。」


 私達は全員呆然としています。エリノア様は真っ青な顔をしておりますが、毅然とした態度で、サロン内の方々そして私に挨拶をして、そばに隠れていた侍女に指示を出したあと、某伯爵令嬢、某子爵令嬢と共に寮に戻って行きました。



 私はサロンに入り、待機していたアンジェ様に抱きついてしまいました。メアリー嬢、あなたは私の心臓を止める気ですか。優しいアンジェ様が抱き締めて背中をさすってくれました。ごちになります。

 再び我にかえって周りを見るとエセルバート先生とヴィンセント先生と理事長が座ってお茶をしていました。おい、くつろぎすぎだ。そして笑いすぎだ。


 翌日、エリノア様は学園に来ず、実家に帰られてしまいました。

 

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