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私はレティ  作者: 喜多蔵子
13/29

13  不愉快な事件ファイルNo.2

 只今マナーの授業をしております。女子のみです。ユリア先生のいる教室にクラスの女子全員で向かいました。勿論メアリー嬢以外全員です。

 教室の中で席について周りの女の子達とこの季節のお茶会の話題について授業を受けていますと、遅れてメアリー嬢が教室に入って来ました。

 多分移動教室のことを『意地悪で誰も教えてくれない』とか言い出すんだろうなって思いながら、気にせず、授業に集中することにしました。

 先日の暴言の件があったからか、ユリア先生は特にメアリー嬢に厳しく接しています。カップの持ち方、話題の振り方、紅茶の飲み方、飲む時の姿勢などなど。

 途中ユリア先生は何度指導しても上手に出来ないメアリー嬢のために、エリノア嬢にお願いして、メアリー嬢の横の席に移動してもらい、紅茶の飲み方、姿勢などを見本としてメアリー嬢に見せつつ指導し始めました。

 エリノア嬢のマナーは完璧です。見ていて優雅で上品で美しい。みんなうっとりして見つめています。

 対してメアリー嬢は、椅子は侍従がひいてくれるのに自らひいて、椅子に勢いよくお尻を乗せて座る。カップを持つと紅茶をこぼし、飲むときはイッキに飲み、飲み終わったカップを戻す時はガシャンと音をたてる·····。

 なんとなくクラスの雰囲気が悪くなっていきます。同じことを何度も何度も繰り返すユリア先生。とうとうメアリー嬢はうつむいて、何もしなくなりました。そして突然、席を立ち

「いちいちうるさい。おばさんのくせに私に命令するな。」

っと叫んで、走って出て行きました。

 教室に残った女子全員とユリア先生は唖然となり、そしてユリア先生は再び倒れてしまいました。



 クラスの女子数名で教職員室へ行き、男性教員の助けのもとユリア先生を運び、一般科のクラスに向かいました。みんな精神的に疲れていました。


 でも戻ったら事件です。


 メアリー嬢の席の周りには教科書、ノートが破られてばらまかれていました。そしてメアリー嬢は泣いています。泣いているメアリー嬢を囲むように他のクラスの男子が慰めています。



 状況が解らず、クラスの前の廊下で留まっていると、クラスの中にいる男子が気付いてくれて廊下に出て説明してくれました。なんでも中庭でエスコートの仕方を学び終わって教室に戻ると、メアリー嬢が破れたノートの中でしゃがみこんで泣いていたそうです。一応訊いたそうです。『大丈夫?』そしたら小さな声で『ひどい。ひどい。』と泣いて何も話さないそうです。その内他のクラスの授業が終わったのか、メアリー嬢の信者がやって来て今に至るそうです。


 

 しかし、翌日学園内では『エリノア様が嫉妬に狂ってメアリー様のノートを破った』という噂が広まっていたのです。


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