表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
力と引き換えに新たな生活を  作者: シャドウ
9/11

恨み

すみませんでした(ノД`)・゜・。

 やっとこの時が来た。


 今まで長くこの時を待ち望んでいた。


 奴等にされたことを。


 奴等の大切な者共に。


 俺達の恨みを晴らす時が来た。



「落ち着きなさい。今までの事を思い出しなさい」

「ああ……悪い」


 暗闇に包まれた洞窟の中で、二人の男女が静かに時を待つように潜んでいた。

 彼等の肌は黒く、耳が尖っており、見た目ではダークエルフという種族に見える。

 しかし、彼等はダークエルフの持ちえない、黒く染まった翼を持っていた。

 そんな彼等の種族は、魔族。

 人類の敵として認識されている種族だ。


「私達が今までしてきた事は全てこの時の為なのよ。自分の感情で無駄にして欲しくはないわ」

「すまない。やっと復讐出来ると思うと抑え切れなかったんだ。もう大丈夫落ち着いてきた」


 岩に腰を下ろし、膝の上で血が流れる程に拳を握りしめ、俯いていた男が顔を上げながら言う。


「そう?なら良いけど。あんまり心配させないでね、私に残った最後の家族なんだから」


 男の言葉に少し安心した女は腕を組みながら、男の後ろに背中を向けて座った。


「ああ、もう俺達しかあの村の生き残りはいない。分かっている、あんたを一人にはしないさ。その為に

ここまで強くなったんだ」


 男は少し愁いを込められた言葉を口にする。

 その言葉は二人しかいないこの空間に染み込む様に、ゆっくりと消えて行く。

 二人は少し昔の事を思い出していた。


「あの光景は……俺達のような奴を増やすわけにはいかないんだ」


 男は握り締めていた拳をさらに、強く握った為に血を流していた。


「大丈夫、その為に私達がやるんでしょ?」


 男を落ち着かせるように、後ろから抱き締めながら男の拳を優しく覆い、ゆっくりと開かせ、指を絡めて行く。

 男と女はそのまま目を閉じ、来たる時に備えるように暗闇の中に溶けて行った。



溜まったもの投稿します(; ・`д・´)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ