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海辺の家  作者: ボン
4/4

イベント

スーパーに食料品を買いに行く。

一見地味な日常だけど、あの海辺の家ではそれも楽しいイベントの一つだった。

「今からスーパー行きたい人――」と、「この指止まれー」のような集合をマッシモがかける。私はもちろん行く。たいして買わなきゃいけないものがなくても、それはすごく楽しい行為なのだ。


スーパーに行くという事は。


まずマッシモが中古で買ったボロッボロの車に4,5人で行くのが日常。


たいていはイタリア人の男3人+私 で行っていた。彼らの好きなオアシスのCDをかけて、大声で歌う。まるでアメリカ映画に出てくるドライブシーンだ。


車の窓から外を見て、私たちの隣の家に住んでいるマルコが働いている八百屋をのぞく。


マルコが働いている。


「まるこーーーーーーーーーーーーーー」と車からよんでみて気がついたら車を止めてちょっとおしゃべりしたりする。


マルコはちょっと不思議な男のような気がする。背が高く金髪の青い目。歩く時に体重を左右にかけてのしのしあるくから、ちょっとサルっぽい歩き方。あまりプレイボーイとかのタイプには見えないが、女友達が多いというか、女の子にとても優しい。

彼とは結構アチコチで遊んだ。


日本にも来たし、イタリアでも空港まで迎えに来てくれたり、実家にお昼をご馳走になりに行ったり。マッシモとはちなみに犬猿の仲だ。会えば話をするがすぐ喧嘩になる。


彼は私たちとスーパーに来ることはまずない。職場が八百屋だって事もあるが、一体何を食べていたんだろう・・・いつも八百屋で働いてそこで食べていたんだろうか・・・


大きなスーパーに到着。駐車することがまず大イベントだ。


ただ駐車するだけなのに、イタリア人が集まると「ここはあーだこーだ」となかなか決まらない上に、駐車料金を払うか無断駐車するかを話し合ったりもめたり。


私は車の事も駐車の事もわからないからただ黙ってちょこんと車に乗って、車が止まるのを待つ。


スーパーでは一人一つショッピングカーを持つ。大男たちの買い物が始まった。沢山食べる人たちだから一回に買う食べ物の量も半端じゃない。


必ず買うパスタと、パスタ用のトマトの缶詰。食パン。イタリア人は皆決まって同じメーカーのパスタを買う事にあの頃は驚いた。青い袋のパスタ。


マッシモは皆で食べるためのアップルパイとかをいつも買ってくれた。


一人ひとりレジに並んで買い物を終えると、一人だいたい4袋は持っている。


イタリア人はあの頃からもう「エコ袋」を持つのが週間になっていて、背中に皆リュックをしょい、その中に食料を入れて、さらに袋が4袋だ。


みんなでゾロゾロと、大きな袋を抱えて車に戻る。家に帰る。


食料品を買いに行くのがこんなに楽しかった日々が他にあっただろうか・・・


こんな日はたいてい皆で夕飯を食べる。


アンドレアが皆にパスタを作ってくれる。材料は皆少しずつ出し合ったりして。


アンドレアはいつも仕事がなく、お金がなかった。その分時間が有り余っているからいつも料理をしてくれた。私のお昼や夕飯を作ってくれた。


あの頃は「イタリア人の男は皆料理してくれるんだ。素晴らしい男たちだ」なんて感動してた。実際は皆が皆そうでもないのは言うまでもないけど、南イタリアの男は結構料理がうまいらしい。


アンドレアは北のコモ出身だが・・・


でも実際料理してくれる男で仕事がないのと、仕事していて料理してくれないのとでは、はっきりいって後者を選ぶタイプが多いだろう・・・アンドレアは、一緒にいると、ちょっとした事であせってしまう自分がちっぽけに思えるくらい「屈託がない」。


だいたい仕事をしないで「来週の家賃が払えるから来週までに仕事を見つければいい」なんて、毎日ノンビリ過ごす「ノンビリ屋なのだ」



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