謎①
僕の名は藤島 御津照。
大学に入学するにあたり一人暮らしをする事になったので、引っ越し先を探してたのだがめぼしい所はもう埋まってしまってるらしい。
当然といえば当然だった。僕みたいのは他にもいるし、大学の寮等でなければ一般の人だって住むのだから。
困りに困って見つけたのが、通称”ミステリースポット部屋”いわゆるいわく付きの部屋だ。
住む人住む人が、数日住んだだけで裸足で逃げ出す部屋だそうでかなりお安かった。
引っ越し先が見つからなかったし、まぁなんとかなるだろうと思い住むことにした。
引っ越しが済んで1日目の朝起きてみた。
特に何も起きてなかった。
正直拍子抜けだった。
ま、ミステリースポット部屋などと言われていてもそんな物なのだろう。
所詮うわさ。
僕は鍵を掛け大学に出かけた。
夕方ごろ帰って、玄関の鍵を開けてテレビを付けて茶を飲んでごろごろ寝転がって気が付く。
「テーブルが真っ二つになってるな・・・」
ついでに2つに割れたテーブルの下に手紙らしきものが落ちてたこれも2つに千切れてたが・・・。
何が書いてあるのかつなぎ合わせて読んでみた。
好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きです好きですスキですスキですスキスキスキスキスキスキスキスキスキ!
もう殺したいくらい・・・
だった。
なかなか怖い内容だが、疑問がある。
なぜこの手紙を2つに千切る必要があったのだろう。
「分からない。なぜ好きなのに殺したいんだ。これがミステリースポット部屋と呼ばれる所以か」
他には特に何も無いことを確認して回る。
「他にはないようだし、とりあえず新しいテーブルを用意しないとな」
僕は電話で両親にテーブルの事を話し手ごろなのを送ってもらえる様に頼みそのまま寝た。
翌日届いたのはチタン合金製のテーブルだった。
ちょっと重い。
けどまぁ、いっか丈夫だし。
「ミステリースポット部屋。このテーブルがお前の相手だ!」
し~~~ん。
返事がないただの部屋のようだ。
「寝るか」
そう、僕こと藤島 御津照は割と何事にも動じない男だった・・・。
次の話で全容が明らかになります!