キマイラⅢ~魔王の私 共通②
「え?」
意識を取り戻した私は周りが木に囲まれた童話チックな小屋にいた。
衣服も黒く、まるで魔女のようなものである。なぜ私は意識をなくしたのか、どうやってここへきたのか、それにどこの地区にある森なのだろう?
考えていても拉致があかないので、外へ出てあたりを散策することにした。
すると遠くから童話のお城のような建築物、いや間違いなく城が見える。
私はゲームの中に入ったのかとも思ったが、神を信じる者としてそんな科学的な話があるわけないと否定する。
おまけに生身の人間が電子世界へ行くなど非科学的でなんの根拠もないとも言える。
そんなのシナリオを考える力のない奴がよくやる手法だ。
よって私は彼の兄が実在するこの世界をモチーフにしてゲームを作成した説を推す。
そして私は古い時代へタイムスリップをしたと考える。
それならまだマシで納得できるからだ。
もしかしてゲーム世界を再現した流行りのバーチャルリアリティーとか?
よし、そっちの説でいこう。間違いなくリアリティーがある。
現状は把握したが、どうやったらこの世界から抜け出せるのかを考えよう。
「ねえきいた~王子様結婚するんだって!」
「知ってるー隣国の姫でしょ」
「いや、敵国なんだけどもー知ったかしないでよね」
そういえばゲームの王子にも姫がいたしプレイを止めた原因。
私は昔から誰もが憧れるお姫様という存在になぜか嫌悪感があった。
「はあ……」
どうやったら元の時代に帰れるのかな。
「きゃああああ、魔女よ!!」
村人が私を目掛けて石を投げてきた。
眼前に飛んでくるそれは透明ななにかに弾かれ、地面にそのまま落下する。
「やあ、可憐な魔王さん」
「え?」
薄いピンクの髪をした青年が椅子に脚を組んで座っていた。
この世の人間とは思えないほどに美しい顔立ちだ。
「ボクが何者か聞きたそうだねぇ」
「もしや神様?」
神は人間より容姿が整っていると言われている。だとしたら彼は神に違いない。
「君はさっきからリアルがどうとか心で言っていたが、科学のほうがよほどリアルなのに、スピリチュアルで非現実的な神を信ずるのか?」
――私が頭に考えたのみで口に出していない事を知っている。
「だったら宇宙人といいましょう」
神は宇宙人説もあるのだからもうそれでいい。
「やれやれ……君は元の世界に帰りたいんだろう?」
「はい」
「帰っても君の兄は君の体に悪魔を憑依させ、ゆくゆくは悪魔ごと封じるつもりなんだよ」
――薄々勘づいてはいたが、やはりその方法をとるつもりなのか。
かつて私の両親が命をおとしたように、私もそうなる運命なのだ。
「ここにいたほうがいいと思わないか?」
「……たとえそうでも帰りたいです。ここでも魔女と言われ攻撃されますし」
宇宙人様は笑いだした。
「ここから出るには王子と結ばれればいいのさ」
「王子と結ばれたら逆に留まりそうなんですが、矛盾してませんか?」
いくら彼の言葉でも、さすがに異を唱えずにはいられない。
「君がここにいる原因は王子が姫といい雰囲気だったからだろう?」
「あ」
つまり原因を解決したらゲームはクリアされるという事になるのだ。




