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イビルクローズ 共通①

『彼に近づかないで…』

それはただの恐怖だった。


「いや…」

カッターを持ちながらこちらに迫る女生徒は親友のミズキ。


『如月くんに近づかないでよ…』

好きな相手が私に好意を持っていると勘違いをしたらしい。


「助けて…!」


私は何も持っておらず完全な丸腰、後ろは壁で近くに人はいない。

ここは二階だったので、相手も驚いて隙が出来、とっさに窓から逃げることができた。


『逃げても見つけだして死なせてやる…』

しかし、私は二階から落下してしまう。


「うわあああああ!」

落ちたのはベッドから、しかし痛いが二階よりはマシだ。

それにしても恐ろしい夢を見てしまった。


特に気になるわけでもなく、ただ少し気になる。

けれども占い師に金を払うのは無駄だ。


「パパ、夢占いをしてほしいんだけど」

しかしオカルト趣味の家族がいれば無料で結果を知ることができる。


「どんな夢だい霧衣(きりえ)?」

パパは魔方陣を描きながらたずねた。


「親友にカッターを突きつけられる夢」

私は間髪入れずに答える。


「しんゆう!?親友にカッターを突きつけられる夢?」

パパはこちらを振り返り、耳を疑ったと言わんばかりに聞き返してくる。


「…なんで親友を二回言うの?」

「だって…おまえ親友なんていたか?」

そう、私には夢に出てきたミズキも知らないし友人も親友もいない上に、制服も違っていた。


「不思議だね…」

「それはこっちの台詞だよ」

私は現在十六、でも学生でも社会人でもない。

義務教育を終えて高校に通う筈の年だ。


けれど私は養父の仕事を手伝っているので家事手伝いというやつだろう。


養父の仕事、それは―――――


「ミスト・ウォール!!悪魔が現れたぞ!!」

「…今行くわ!」

とある少年が、悪魔の封印解いた。


私達は悪魔を封じるイビルクローズは、その事後処理をしている。



父が十年前に亡くなった母を五年前に死者蘇生の実験を行うも失敗した。

そして父は母を愛していたのではなく、母が隠した宝の場所を聞き出したいが為に、蘇らせようとしているのだと死んでいるような眼で呟く。

まるで救いようがない廃人のになり、あの頃の野心に満ち、輝いていた父はもういない。

家族二人は同時に死んだも同然だった。


「私が成功させたら家族はちゃんと元に戻るよね?」

きっと空から見ている神様や観音様にたずねてみた。


父の意識がまともなら非科学的だと私に言うことだろう。

私は科学が得意ではないから科学者を継ぐことは出来ない。

だから私は私のやり方で母を生き返らせ、父を生き返らせようと思う。

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