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キメラⅠ~黒髪の少女 共通①

私がほしかった物


あの頃はなんでも手に入るんだと思ってたの。


望めば手に入らないものなんて無い

そう思っていたわ。





私は正しい判断をしたの――――――?




―――――――私は今まで幸せだったのかしら?


『きゃー』

『会長!』

『こっちむいて手ふって!!』


皆私を慕ってくれるけれど対等に接してくれる友達ががほしい。


だからおまじないを試してみる事にした!


【学院の伝説】

泉の水に顔を移し

願いを唱えるとその願が叶う


よくあるベタな話よね

別に信じているわけではないけど為石にやってみようと思うのよ。


泉に顔を移して、じっと待って…数時間経っても願が叶う気配を微塵も感じなかった。


願いが叶わない悔しさと

くだらない伝承を信じてしまった自分への憐れみで涙が零れ落ちた。


「もういい!!泉に飛び降りてくたばって死にます!!」


思いっきり叫んだ

目から一筋の滴が流れ泉全体に広がっていった。


すると泉から若い端正な顔立ちの男が這い上がって来た。


「コラー命を粗末にするんじゃなーい!」


突如男性は突進してきた。

その衝撃で私は木にバックダイブしてしまった。


「死ぬ前に…一人でもいいから友達ほしかったな…」


父上、母上…神様…私をこの世につくってくれてありがとう。


「いやいや死ぬなよ…その願い、叶えてしんぜよう!」


「しんぜようって…」


古い!マジ古い!

今時オッサンでも使わねーよ、

と言おうと思ったけど必死に圧し殺した。


「え!叶えてくれるの!?(もしかしてこの人泉の精?)」


私は彼を期待の眼差しで見つめた。


「俺の兄が」

「貴方、兄上がいるのね…?」

「…突っ込むとこそこ?」

「え?いやですねそこは違う…」

「そういうことじゃないんだが(引くわー)」


「話を本題に戻すけど願いを叶えてくださるの?」

この人の正体も気になるし

「俺は精霊(仮)、この泉に住んでる精霊さ」

キラーン

「(かっこいー)私は鐚ノ魔螺鬼萠です」


自己紹介が済んだ所で本題に入った。

どうやら泉の伝説は本当だったようだけど

彼が願いを叶えるのではないのね…。


「あのさ、くたばると死ぬは同じ意味だと思うんだ」


なぜ精霊さんは今さらその話をするのだろう…

まったく話が進まない。


辺りも暗くなり下校の時間を知らせる鐘が響いた。


「あの…」


精霊さんが険しい表情のままぴくりとも動かないでいる。


なぜなのだろう?

場の空気がいつもと違うような…


変な気配がする

人でなく私でも精霊さんでもない別の何かが近くにいる感覚





ガサガサと草むらから何かが飛び出してきた。


「きゃあああ!」


驚いて悲鳴をあげてしまったが飛び出してきたのはただの猫だった。


「猫に驚くなんて恥ずかしい…」


だが精霊さんは険しい顔のままだ。


「何か怪しい気配を二つ感じたんだが」


やはり精霊さんだから危険を察知できるのか。


「私も変な気配があるような気がしていたのですが…この猫かしら?」


でもこの猫は白くていい子に見えるわね。


「一つはその猫そしてもう一つは――――――」







「お前の後ろだよ♪背後にご注意」


「……」


先ほどまでの気配は後ろにいる少年だったようだ。


「驚いた?そして怖い?」

そう聞きながら少年は私の首に鋭い爪をむける。

「…・・・・・・・・・・・」

「…なんだお前は!その子を開放しろ」


精霊さんが私を心配してくれてる…

そして私はこの方なんて―――――





「クスッあなたなどこれっぽっちも怖くないです!」スパン

「「「!?」」」


私が話終わった途端、

むけてられていた彼の爪は短くなっていた。


「大丈夫かラキメ?(数秒の間に何があったんだ?俺には早すぎて見えなかった)」


「はい…でも一体なにがおきたの?」


「爪はどうでもいいけど今の技なんなの!?」


いや爪どうでもいいとかないだろ。

彼は目をキラキラ輝かせ私の手を握る。


「爪はどうでもいいのかよ!そこはさー

『貴様らよくも…僕の爪をこんなにしたな…許さない!』

とか言って戦闘モードに入れよ」


精霊さんは漫画の読みすぎなのかな。


「アンタさ…空気読めよ

戦わない相手をわざわざ戦わせるとかバカなの?」


少年は精霊さんをゴミを見る目で見ていた。

突っ込む所はそこなのね…

ほらどうせなら『いつの時代の少年漫画だよ!』とか言ってあげようよ


「まあそれは置いといてですね、貴方のお名前は?」

{え…置いとくの?}


「僕はス…「死ね」


少年が名前を言いかけた

その時―――――――



体の膨れた不格好な男が少年を貫いた。


「なんて事をするの!許しませんよ」

「オメエも仲良く死ぬか?」

「いやお前が死んでくださいよ」


私は怒りにまかせ敵を粉々にしてしまった。


「嘘だろ…あんなデブを一瞬で?」


「少年はまだ生きています…」


私は少年に死んでほしくなかった


だから禁じられた力を使って蘇生した。


「あれ僕生きてるの?」

「貴方の名前聞けなかったから…」


だから教えてほしいな――――

「スパム…」

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