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泣く爆弾と世界終演シンフォニア  作者: bom
パープルレッドの黄昏
1/17

prologue








「お先に失礼します」



荷物の入ったカバンを抱え仕事場を出ると、少しだけ温かい夏の匂いがした。

橙色の空が広がるこんな日には、彼女の笑顔を思い出す。

僕の隣で笑っていたあの人の声が、今も頭のなかで響いている。



こうして歩いて家に帰るのは、どれくらいぶりだろうか。

立ち並ぶビル群に、毎日を焦ったように生きている人たち。

あの頃と何も変わらない。

いや、少し変わったかな。


「…あっ、すいません」


空を見ながら歩いていたせいだろう。

誰かと思い切りぶつかってしまった。


「こちらこそ、ごめんなさい」


そういって困ったように笑った女の人。

彼女もまた、こんな素晴らしい毎日を生きている人間のひとりなのだろう。








ここ数年で爆弾が生まれたという話を聞くことはなくなった。

もしかするとこの世界に爆弾が生まれることは、もうないのかもしれない。


“爆弾”


その言葉を聞いて思い出すのは、20年前。

不発弾・彼方彩乃(かなたあやの)と生きた、あの幻のような日々だった。




少しだけ、昔の話をさせてほしい。





























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