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ぼくのひっこし  作者: 玲於奈
6/7

スナック

なし

そして、

なんとかこのまま学校生活がいけるかなと

思えたその週の金曜日。

その日、ぼくは思いきって

さやかさんから

もらったポケモンの鉛筆をもってきた

ほんとうはポケモン図鑑がよかったけど

まだ届いていなかった


お昼が終わったら

本当はすぐに外に出なくちゃいけないけど

ぼくはジーナと

ポケモン鉛筆をころがして

バトルをした

パキスタン人の彼女ジーナは、

日本のアニメに

とても興味があって

喜んで一緒に遊んでくれた。


そこで事件がおこった

同じクラスの赤毛の

ピーターがぼくの鉛筆をとって

外にかけだしたんだ

やつはいつもちょろちょろして

みんなにちょっかいを出しては

カリーにおこられていた


くやしかった

女の子の手前

とりもどさなくちゃいけない

昨日の夜、アニメでみた騎士のように

ぼくは猛然とピーターを追いかけた

こう見えても

ぼくは

かけっこでは

誰にも負けたことがなかった


でもピーターは

さすがにこの校舎になれている

うまいことコーナーリングでかわして

もう少しなのに

ぼくはピーターに追いつけない

そのおいかけっこは決闘のようで

あっという間に

それを見ているみんなが騒ぎ出した

そしてあと少しで

鉛筆をつかめそうになったところで

僕は校門の前の木にぶつかり

そのはずみで

鉛筆はおれてしまった


目をさましたら家だった

パパは

いつものように

こまった顔をしてぼくをみた

いままで

ハドソンさんも

心配でいたらしいけど

パパが


「今日は

 早めに帰ってもらった」


と教えてくれた


壮絶な追いかけっこの後

ぼくは木にぶつかって

脳しんとうをおこしたらしく


「1週間。

 学校に行かずに安静にしてください」


とお医者さんに

宣告されたそうだ


ぼくは気絶し

勝負には負けてしまったようで

すぐにパパが呼びつけられて

こってりカリーに怒られた。


なさけなく

パパは笑ったそうだけど

そんなパパの手に

ポケモンのスナックがあって

ぼくは

はじめて

イギリスのおかしを食べた

そのお菓子は味が

びみょうだったけど

泣きそうになりながらも

ぼそぼそとたべた

なし

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