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ぼくのひっこし  作者: 玲於奈
3/7

にほんご

なし

ホールの外

コンクリート広場にでた

日本のような土の

そして広いグランドはなかった。


体育をする時は、近所の公共体育館で

プールでは、インストラクターの人に教わるよ。

と前にパパが言ってたことを思い出した。


校門のところで

家の人が迎えにきてるのも見えた。

家が近所の人は一度もどって

ご飯をたべてくるようだ。


もしかしたら

この近所だったかしらと思って

僕も待ってみたけど

おなかはなったけど

誰も僕を迎えにはこなかった。


しばらくしてみんなが遊び始めた。

僕は、黒い柵の入口わきにある大きな木に

もたれてみんなのようすをみていた


やっぱりといえばやっぱりだけど

日本のひとはいなかった。

台湾か韓国の人かなと思う

ぼくより小さい男の子がいた

でもその子に僕は、

「ハロウ」とはいえなかった

はずかしかったのかな


大きな音がして、いつのまにか

教室中の子どもも外にだされて

ごちゃごちゃしたかんじになった


何人かが僕にちかづいてきたけど

こちらからなにも話さないので

困った顔をして、はなれていった


どうして困った顔をしたかわからないけど

コンクリート広場を

走り回るのが忙しかったのかな

って思うことにした


そんなこんなで

また大きなベルがなって

みんないっせいに教室から

とびだしていった

そして1日目の学校が終わった


入り口に見覚えのあるおばあちゃんが

立って僕の方に向かって一生懸命手をふっていた。

ハドソンさんだった。


パパの車が調子が悪くなって

迎えにこれなくなったよう


朝のラッシュは初めてで

交通ルールにとまどったとも

あとで

パパが言っていた。


ハドソンさんと小学校近くのバス停から

赤い大きな2階建てのバスに乗った。

ダブルデッカーと

いうらしい。

僕は乗るのは、

はじめてでおどおどした様子に

気づいたハドソンさんは

にこやかな笑顔で

ぼくを2階につれていって

一番前の席にすわらせてくれた

階段が急でハドソンさんは大変そうだったけど

そこからの景色は、すごく見晴らしがよかった


自分が赤バスを運転しているようで

もっとすわっていたかったけど

あっという間に家の近所についてしまって

ハドソンさんがあわてて

脇の手すりの黒いボタンをおして

バスが止まった。

1階におりて

百円玉よりもかなり厚みのある

金貨を箱に1枚いれて降りた。


ハドソンさんは家に着いてもにっこり笑うだけで

しゃべらなかった

僕との距離をはかっているのかなとも思ったけど

あたたかく見守ってくれてるので

僕は自分のしたいことをして夕ご飯をまっていた。


夕飯はひき肉のいためものみたいな

はじめて食べる料理だった。

「私のふるさとの味」

いつもそれを紹介するうちにおぼえたのか

日本語で一言

ハドソンさんは

ぽつりと言った。


パパ以外の人の日本語を

久しぶりに聞いた。


なし

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