とどろき おどろき
なし
ぼく
とどろき小の1年。
ぼくの
かよう小学校は、
とどろきって
いうんだけど
なぜか
パパもママもみんなも
「おどろき小、
おどろき小」
って言ってる。
そのおどろき小には
校門を抜けて
すぐに池があって
そこにいつも
かめやこいが泳いでる。
がっこうのまわりは
ビルやマンションが
たあくさん
校庭には、
大きな山があって
みんな
その山を
びっくり山ってよんでる。
こないだ
せいかつのべんきょうで
おじいちゃん、おばあちゃんと
おはなししたとき
むかしむかしは
マンションやビルより
びっくり山が
高かったって言ってて
このおじいちゃん
ぼけちゃったのかなとしんぱいに
おもったけど
ほかのおばあちゃんや
おじいちゃんにおはなしたら
みんな、
「そうだ。そうだ。」
って
いってうなずいてた
信じられないでしょ
さてこれから
ことしのなつにあった
ぼくが
がいこくにいく
はなしをこれからします
ぼくは、
このまえまで
とどろき小に通っていたけど
今年の夏
転校することになった。
残念だけど
これからは、
パパやママが
「おどろき小、驚き小」
って
もう言うことはないし
ぼくが
池のかめに会いに行ったり、
びっくり山に
のぼることもない。
なぜかというと
もう、おどろき小の
子どもじゃなくなるから。
そして、
転校するところ。
ぼくの新しい学校のあるところは
ロンドン。
これを聞くとみんなは
「すげえ」
「金持ちじゃん」
「留学なの」
って聞くけど
パパの仕事の都合
パパのお仕事は大学教授。
教授っていうと
かっこいいけど
ぼくは
そうは思わない
たまに
家で仕事をしているときは
何か調べ物をしながら
ぶつぶつ和歌をいって
部屋を歩き回ったりしてる
ママのお仕事が
たあさくさんあって
おそいとき。
ママに頼まれて
パパが作る料理は
味がなかったり
ぎゃくに、しょっぱかったりする
いつも
なにかのしらべごとを
考えながら
ママの用事をしている
パパのけんきゅうは
昔の「にほんの言葉」
かなり昔から研究しすぎで
物知りになって
外国の人が
パパに
「教えて!」
って誘ってパパが
「いいよ。」
って
言って
今回、ロンドンに
行くことになったんだって
外国なんだけど
なんだか
友だちの家にあそびにいく感じ
でもパパも
こんなに簡単に
いけるのかな?
って思ってた
そうだけど
あっさり
大学の人も賛成してくれて
外国に行くことになって
きまってから
ぎゃくに
パパが、驚いてた。
ママは、
ちょっと笑って
もともと調べている人が
少ないんだよって
言ってた
それよりも
ずっと
心配な事があって
それは
通う学校のこと。
外国にも日本の人だけが
通う学校もあるらしいけど
パパは、
イギリスの普通の学校に
ぼくを通わせることにきめた
「なんで」
って聞いたら
「だって
その国の子になるんだよ」
そうパパは言ってた。
ぼくは
にほんじんなのに。
あめがじゃんじゃんふる
つゆがあけて
みんみんぜみが泣いて
暑い夏がやってきて
入道雲が
もくもくと出て
ついに
ぼくが
がいこくに
ひっこしするときがきた
N空港には、
さやかさんが
ぼくを
見送りに来てくれた
さやかさんは、
ぼくのとなりの席の女の子。
髪の毛がとっても長くて
にこっと笑うと
みんながぽわーんとなるくらい
かわいい女の子
でも、さやかさんは、
なんだか
外国に行くぼくを見送るっていうことに
かんどうしている!!
感じもしたけど
わざわざ
成田までお母さんと来てくれて
ぼくは、とってもうれしかった
パパが
旅行会社の人と
悪戦苦闘しながら
飛行機の手続きをしている間に
ちょっと泣きそうになりながら
「使ってね」
って言って
ポケモンの鉛筆セットをくれた
いよいよ
飛行機の時間で
いかなくちゃいけなくて
おわかれってときに
半泣きになりながら
さやかさん
ぼくにむかって
せいいっぱい
手をふってくれた。
なし