表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染に恋をした  作者: さくま
バレンタイン
7/8

幼馴染とバレンタイン―僕の場合―

今日は2月14日、バレンタイン。


幼馴染の彼女には毎年チョコレートを貰っていたけど、今年のチョコは特別だ。


何せ彼女と恋人になって初めてのバレンタイン。


いつもは2月14日になっても何も思わないけど、今年は朝からドキドキしてしまっている。


「ねえ、何をそんなにソワソワしているの?」


おっと、態度に出てしまっていたのかな?


一緒に登校している彼女にもわかるぐらい今の僕は落ち着きがないらしい。


でもせっかくだからさりげなく催促してみようか。


「何か僕に渡すものないかな?」


「渡すもの?ん~、特にないかな」


そ、そんな……


去年までは登校時にチョコをくれたのに……


まさか今年はチョコを貰えないのか?


「そ、そう。だったらいいんだけど……」


軽くショックを受けながらも何でもないように取り繕って学校に到着する。


授業ごとの5分休みや昼休みにもさり気なく彼女にチョコを催促してみたけど、やっぱり彼女がチョコをくれる様子は見られない。


何で貰えないんだろう?


何か彼女を怒らせるようことをしちゃったのかな?


そんな風に悩んでいるとあっという間に下校時間になり、とうとう家の前まで着いてしまう。


……やっぱり今年は貰えないのか。


何故彼女が怒っているのかわからないけど、彼女が怒っているなら誠意を見せて謝ろう。


「あ、あの、何で怒っているのかわからないけどゴメンなさい!!」


頭を下げて一生懸命謝ってみる。


「私は怒ってないよ。今まで意地悪していてゴメンね?」


予想外の返答にどういう意味か聞こうと顔を上げたら、唇に柔らかい感触を感じると同時に口の中にチョコレートの味が広がった。


「君が困っている顔が可愛くてつい意地悪しちゃったの。お詫びにチョコレートの口移し。甘かった?家にバレンタイン用のチョコレートケーキがあるから一緒に食べよう。私が君にチョコレートをあげないはずがないじゃない」


どうやら僕は彼女の掌の上で踊っていたらしい。


少しだけ不機嫌になったけど、口に広がるチョコレートの味と彼女の楽しそうな笑顔を見たら不機嫌な気持ちはどこかに行ってしまう。


今年のバレンタインはいつもより甘い。やっぱり彼女にはかなわないみたい。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ