幼馴染が彼氏になった。
あれから私と彼は交際することになった。だけどやっていることはいつもと変わらない。いつものように彼と手を繋いで歩いていると彼の呟きが聞こえてきた。
どうやら彼は私に隠し事をしたいみたい。うん、でもそれは無理だと思うよ。自分の癖を自覚しなきゃ。
ある日友達に彼のどこが好きなのか聞かれた。だけどすぐに答えることは出来なかった。だって彼の全部が好きなんだもん。特に好きな部分はすぐには思い浮かばない。だからただ笑っておいた。
最近の彼の隠し事は私が本当に彼のことが好きなのか疑っていること。どうやら友達との会話を聞いていたみたい。
まったく失礼な。私は君のことが大好きなのに。君以外に恋をしたことなんてないよ。
ある日唐突に彼に質問された。とうとう彼の不安が限界を越えたみたい。
「ねえ、君は僕のどこが好きなの?」
どこって?私は君の全部が好きだよ。どこって部分はないの。
「逆に聞くけど君は私のどこが好き?」
さあ、君はどう答えるのかな?
「えっと、すぐには思い浮かばないなあ」
良かった、私の答えと一緒だ。そう思ったら自然と笑顔になった。
「私もそう。好きってことは確実に分かるんだけど、どこが好きなのかはわからないの。だから君が不安に思う必要はないんだよ。いつだって私は君のことが大好きなんだから」
あ、ひとつ君の一番好きな部分を思い付いたよ。
君が嬉しそうに笑った顔が大好き。