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第4章:宿命の芽

日本語があまり得意ではないことは分かっています。少しずつ学んでいる最中です。ただ、このプラットフォームの助けを借りて、私の物語を皆さんに届けたいと思っています。この物語が皆さんの心に響き、そして、どうだったかという感想を皆さんからいただけたら嬉しいです。」

部屋には静かな気配が漂い、柔らかな光が薄いカーテンを透かして降り注ぎ、すべてを温かく包み込んでいた。

壁は穏やかな色合いで塗られ、外から聞こえる小鳥の声だけが空気を震わせている。

それはまるで時が止まったかのような、触れられていない静謐なひとときだった。


窓辺にはひとりの女性が静かに座っていた。両手は膝の上にそっと添えられ、その姿勢は優雅でありながら自然な威厳を纏っている。

彼女は何かを見るでもなく遠くを見つめ、語られることのない記憶の中を彷徨っているかのようだった。


その傍ら、滑らかな黒檀のゆりかごの中には、生後六ヶ月ほどの赤子が眠っていた。

規則正しい穏やかな呼吸は乱れず、差し込む陽光がその頬を優しく照らし、無垢な寝顔に柔らかな光を添えていた。


やがて、ほとんど音も立てずに扉が開いた。

伝統衣装を身にまとった侍女が静かに部屋へ入り、慎ましい動作で深く頭を下げる。


「奥さま……お子が、生まれました。男児でございます。」


女性はわずかに顔を向けた。言葉は返さなかった。

表情は動かないままだったが、その瞳にはかすかな光が揺れ、胸の奥でそっと響く声をひとり心に聞いているようだった。


彼女は静かに頷いた。ただそれだけ。

しかし確かにそこには微笑みがあった。


視線が再び窓へ向けられたとき、光もまた変わっていた。

黄金の指先のような陽光がゆりかごと彼女の肩を撫で、部屋をいっそう暖かく包み込む。

だがその瞳の奥にはどこか遠い影があった。喜びの色と共に、誰も触れられぬ深い渇望が潜んでいる。


光が彼女の頬を照らすと、その姿がはっきりと映し出された。

長く流れる紫の髪は柔らかく輝き、翠玉のような瞳は静かな鋭さを宿す。


天照街の正装である着物を纏ってはいたが、彼女の佇まいにはこの国に属さない何かがあった。

優雅にゆりかごの傍らに腰掛け、複雑な感情を秘めたまま、眠る我が子を見下ろす。


闇夜のように黒い髪は父である桐生半蔵を思わせた。

まだ閉ざされた瞳は、何も知らない。


彼女は微笑んだ。その指先が静かにゆりかごの縁を撫でる。

しかし瞳はもっと遠い未来を見ていた。


「――我が子、レンジロウ。」


その声は柔らかく澄んでいたが、その奥には不吉な重みが潜んでいた。


「お前の“宿敵”が、生まれた。」


言葉は prophecy ――予言として放たれた。


「正室の子ではなく……妾の子。それでも、お前の弟であり、宿命の rivalライバルだ。」


陽だまりの温かさはその瞬間、かすかに冷たさを含んだ。

レンジロウの穏やかな寝息は変わらず、彼に結ばれた新たな“見えない糸”を知らぬままで。


外の世界はいつも通り動いている。

だが、部屋の中では何かが確かに動いた。


侍女は静かに立ちながら、王妃の言葉を一言も聞き逃すまいと耳を澄ましていた。


(心の声)

「まさか……レイナ様は、第一王子レンジロウ様に、もう運命の糸を結ばれたのですね……。」


彼女は小さく息を漏らす。畏れと感嘆が混ざった吐息。


(かすかな囁き)

「――レイナ様……その静かで厳かな加護は、愛なのか……それとも、優雅さの奥に隠した哀しみなのか……。」


侍女は深く頭を垂れる。


「さすがは“光の母”――第一王妃レイナ様でございます……。」


レイナは侍女に視線を向けた。その表情は読み取れない。

眉がわずかに上がっただけで、部屋に冷気が走った。


声は絹のように滑らかでありながら、刃のように鋭い。


「――あの男と、その下女が産んだ子に……どんな名をつけたと言っていた?」


侍女の手がかすかに震え、銀盆が微かに揺れる。

空気が固まり、宮殿そのものが息を潜めたようだった。


慎重に、侍女は答えた。


「……“桐生リョウマ”と、陛下がお名付けに。」


沈黙が落ちた。


レイナの唇が歪む。冷たく、計算高く、奥に燃える炎を隠さない笑み。


彼女はゆりかごのレンジロウへと視線を戻した。


紫の瞳が鋭く輝く。母の温もりではない。

それは揺るぎない“意志”だった。


「――レンジロウ。」


囁きは静か。しかし刃のように鋭い。


「備えなさい。」


その瞬間、彼女は息子を名付けたのではない。

“戦い”を宣告したのだ。


✦ ✦ ✦


――その頃。密林の奥、即席の野営地にて。


焚き火の爆ぜる音、草木の揺れる気配。

しかし視線を奪ったのは、粗い薪に腰を下ろしているひとりの女だった。


パネルは腰から下を映す。

大地を踏みしめるしなやかな脚。

獣のように研ぎ澄まされた構え。


彼女は手製の刃を使い、慣れた動きで猪肉を切り分けていた。

太腿の筋肉が動き、熱を帯びた肉を容赦なく噛みちぎる。


肉汁が顎を伝い落ちる。拭わない。


優雅さも礼儀もない。

あるのは本能と、生き残る力だけ。


焚き火の煙がゆらゆらと上がり、背後では仲間たちが武器を研いだり、傷を手当てしたりしている。

それでも彼女は黙々と肉を切り、噛み、そして前を見据え続けた。


――これは貴族の生ではない。

これは、“獣として選んだ生き様”だった。


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