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和乃国伝  作者: 小春
第一章 はじまり
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零.約束

 初めまして。

 子どもの頃から古代史に心惹かれ、参考にさせて頂き、書いた作品になります。

 世界観や登場人物など後に投稿しますので、小説を読みながら見て頂ければと思います。

 小説を書くのは始めてで読み辛い処も多いと思いますが、よろしくお願いします。

 海に囲まれた島国・和乃国。この国は【大王おおきみ】と呼ばれる存在が国を治めていた。


 私の曽祖父・大知光村おおともみつむらは、大王の臣下の中で最高の地位である【大連おおむらじ】であった。六代の大王に仕え、絶大なる権力を持ち、大王を支え、国を守っていた。


 しかし、失脚した。同士であり友であった者からの告発により大王に裁かれ、それを止める者も無く、都から身一つで追放となった。そんな曽祖父様(おじいさま*曽祖父だがおじいさまと呼んでいる)と幼き日に二人で同じ時を過ごした事がある。その時、曽祖父様が言った。


『先人。私は、六代の大王に仕えた。心弱き者、残虐な者、情が深く聡明な者、過去に囚われた者、悲しき者、心清き者、すべて、見てきた。どの主にも私は忠誠を誓いすべてを捧げた。何もかもすべて。大王あってこそ国が守られる、そう信じて。しかし、私はいらない者となった。

後悔などない。私は、正しき大王を立てたのだ。だから今も国は、在る。ただ、国と大王の災いとなるものらを退け、国の濁(*けがれ)を飲み続け、いつの間にか一族すべてが昏く濁ってしまった。私はそれを肯とした。それが、今の大知だ。

先人、そなたはそれをはらいたいと言ったな。覚悟はあるか?我が大知氏族を背負い、濁を払い、大王の血を守り、支える。その覚悟だ』


『はい。父上も、一族も、曽祖父様の汚名もすべてすすぎ、大王を支え守ります』


 私の言葉に泣きそうな顔で小さく笑い、頷いた曽祖父様の顔も、言葉もどれだけ時が流れても忘れることはなかった。曽祖父様はわかっていた。【大知】がどうなっていくのかを。





 私は〝大知先人おおともさきひと〟。失脚した大連・大知光村の曽孫にして現大王に仕える大知氏現当主の嫡子である。


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