第7話
Ravenが飛び立つと、黒い閃光が走り、覆おうとしていた黒いドロドロとした体の半分が消し飛ぶ。
しかし、すぐにソレは補填され、Ravenに襲い掛かる。
「はは、行けるかい?」
『当然だろう?』
その言葉と共に、三つ首の巨大な犬と星が12個描かれているカードがどこからともなく現れる。
『終わった後の負担を気にしないのであれば、この程度の相手、どうってことは無いのさ。共鳴開始。』
その言葉と共に、ケルベロスの幻影が現れ、ガウッと吠える。
3つの首からの咆哮は共鳴し、迫っていた黒いドロドロとしたものを再び消し飛ばす。
そしてカードはRavenの右手の機器に収納される。
「おぉ?君もできたのかい?」
『ふんっ、魔力を持つ者にとってこの程度は容易なんだ。魔力が無い君への負担が凄まじいからやらなかったがね。さっきも言っただろう?私は君を気に入ってるんだ。』
「はは、すまんね。で、どうやって核まで行くんだい?」
『こうするのさ。共鳴開始。』
その言葉と共に、いつの間にか出現していた巨大な猪と星が11個描かれたカードが光り輝き、猪の幻影が現れる。
その幻影は、Ravenを背に乗せると、プギー!と鳴き、核に向かって駆けだす。
「ははっ、こりゃ凄いな。」
黒いスライムが、核に迫る敵を見逃すわけはなく、再生した黒いドロドロを硬化させ、触手を生み出し、Ravenに襲い掛かる。
『はいはい、共鳴共鳴。』
リーが雑にそう言うと、龍と13個の星が描かれたカードが生じるとともに、龍の幻影が現れる。
グルル、と不満そうに鳴いた龍の幻影は、その触手をかみ砕き、進路を切り開き続ける。
ブシューブシューと悲鳴ともとれる音を鳴らしてスライムは抵抗するが、龍の息吹によって蹴散らされた。
「はは、こりゃ凄いな。」
『そりゃそうだろう。この負担じゃ、遺体が残るかすら怪しいわ。』
「おお、そりゃ凄い。」
『はぁ・・・ま、いいわ。貴方の指示に従う道具ですものね?』
「おいおい、そういうなよ。君が居なかったら私は生きていないぜ?」
『貴方だけじゃなく、日本国民のほぼ全て、でしょうに。彼らは貴方の正体も知らないけれど、ね。』
「はは、私がそうあってほしいと思ったのだからいいのさ。恥ずかしがりやなのでね。」
『・・・そう。やっぱり貴方は変わってるわね。』
「そうかい?ところで、もう1枚のカードは使わないのかい?せっかくだ、使ってやろうぜ?」
『あら、もう使ってるわよ?というか、気付いていなかったのかしら。』
「うん?どういうことだ?」
『貴方が言っているのは、天狗の長のカードでしょう?』
「そうそう」
『最初に現れた天狗の群れを討伐した後、貴方の負担を減らすために10個の星が描かれたあのカードを使って変身してるのよ。』
「あ、そうだったんだね。あの時から星なんてあったのか。」
『・・・あの時に世界を書き換えたのよ。他の存在にも、わかりやすいようにね。』
「知らなかったよ。ありがとう。」
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