第5話
あの時頷いていたら、大変なことになったのだろう。
篠宮は、人知れず闇に紛れ、日本に生じた割れ目の中の、強い個体だけを狩っていた。
その影響もあってか、日本はこの星の中で唯一、割れ目が生じる以前同様、人類が繁栄し続けることができている国となっている。
鬼に支配され奴隷となって生き続けることになった
伸縮自在の棒を持った大猿に襲われ続け国が複数に割れた
うるわしききつねさまのためにすごした
巨大な牛の群れが現れ居座り続けても宗教上害することができず発展が止まった
凍土を溶かし進み続ける巨大な火山を背負った亀に都市を踏みつぶされた
ひかりかがやくいだいなるししにこうべをたれすばらしいじんせいをすごした
大蛇によって島ごと飲み込まれた
視線を向けられただけで石化してしまう鶏の群れと戦い続けた
ひつじさんといっしょにずーっとねむってすごした
莫大な数を誇るネズミと戦い続けた
狂暴なユニコーン達の群れにペガサスと共に対峙した
きまぐれなねこさんたちといっしょにあそんですごした
淫魔に飼われる人間牧場になった
住んでいた大地が巨大な魚の背の上に乗っていて潜水を繰り返し建造物がリセットされ続けた
とてもふわふわでかわいらしいうさぎとすえながくしあわせにすごした
巨大な雷を纏う虎の狩場として恐怖の中生きることになった
とてつもない植物の群れに呑まれた自国の都市に核を落とした
上空に巣食い、飛行機を落とし続けた龍は、日本に迫った時、黒い翼を持った正体不明の何かによって堕とされた
巨大な猪が、半島を半滅させ、大猿から離れるように海を越えようとしたが、途中で黒い翼を持った正体不明の何かによって海の底に沈んだ
地獄の門のようなものが東京に生じ、その前に現れた三つ首の巨大な犬は、現れたと同時に飛んできた黒い翼を持った正体不明の何かによってその三つの首を刎ねられた
そして、誰にも知られず、山奥に空いた割れ目から湧きだした天狗の群れは現れると同時に狩られ続け、そして長が討伐され壊滅した
今まで人間によって観測された、圧倒的で対処ができない程の力を持つ特異存在である魔王の数は20、討伐された数は3
けれども討伐を成した者はどこの誰とも知れぬ何者か
人類は、魔王に抵抗する術を持たなかった。
いいや、魔王どころか、現れたその配下たちや、魔王に属さない化け物たちにすら敵わなかった。
全世界共通で、魔王や魔物を含むソレら人類の敵は、DISASTERと呼ばれている。
夜明けはまだ来ない。
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