表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The Elpis  作者: Lis
2/11

第2話

 そう聞いた篠宮は、テレビを指さして、問う。


「じゃあ、さっきテレビでやってたのもお前の仕業か?」


「いいえ?ああいう割れ目が自然にいくつかできていたので、この世界が不安定になってることに気付き、様子を見に来たんですから。」


 篠宮は、不穏な単語を聞き取り、眉を顰める。


「世界が不安定?」


「えぇ。あれって、他の世界の一部がくっついてるんですよ。」


 それを聞き、篠宮はテーブルの下の割れ目を指さす。


「ほう。じゃあ、この小さな割れ目も?」


「いいえ?コレはトンネルです。あれらとは違い、元の世界は壊れてませんから。」


「うん?でかい割れ目は壊れてるのか?」


「えぇ、一部と言ったでしょう?壊れたファンタジー溢れる世界の一部が、流れ着いてぶつかってああなったんじゃないかなーって。」


 流れ着く、ぶつかると言った危険そうな単語に、篠宮は不安そうに尋ねる。


「あれを放っておいたら、世界が滅びたりは?」


「しませんよ?世界の崩壊なんて、そう簡単にできることじゃありませんし。まぁ、私にはこの世界程度なら容易く壊せますが。」


 その言葉に、篠宮はホッと息を吐く。


「じゃあ、俺らはこれからも日常を謳歌できるってーわけだ。」


 ソレは怪訝そうな表情をする。


「はぁ?世界が滅びることと、人類が滅びることは別ですケド?世界は頑丈で、人間は脆い。こんなことも言われないとわかんないんですかぁ?さっきの映像で繋がってたのはゴブリンの巣だから・・・まぁ、対処できなくはないだろうケド、ドラゴンとか巨人とかが出てきたら人類はほとんど滅びて、微かに生き残るだけじゃない?一つ二つどころじゃない数あるし。」


 篠宮は絶句した。


「なっ・・・どうにかならないのか!?」


「えー?私ってぇ、本体じゃないんでぇ。」


「本体じゃない?どういうことだ?」


「うーん・・・説明難しいんだけど・・・あぁ、やっぱりあった。」


 ソレはいつの間にか篠宮の手から抜け出し、テーブルの上に置いてあった白いカードを手に取る。


「コレは貴方の?」


 篠宮は首を横に振る。


「いや、知らないな。お前が持ってきたんじゃないのか?」


 ソレは、目の前にあったモノがいつ生じたかすら気が付いていない篠宮に、呆れの表情を隠せない。


「はぁ・・・コレはね、ブランクカードっていう物よ。」


「ほう。それが何か役に立つのか?」


 篠宮の疑問に、ソレは堂々と答える。


「さっき見てたでしょう?ゴブリン程度ですら、銃弾を弾く程度の魔力を纏ってるわけ。まぁ、魔力を纏わせれば貫通できると思うケド、そんな技術ないでしょう?」


「あ、あぁ。魔力なんてものが存在するだなんて話は・・・胡散臭い宗教じみたやつらの話でしか聞いたことが無いな。」


 ソレは頷き、無知な存在に知識を伝えることに快感を覚えているのか、自慢げに話す。


「ま、ここは地球系列の一つだし、一切魔力に関する技術が発展してない世界なんでしょうね。だからこそ、コレよ。」


「さっきからそのカードをいじっているが、何をしてるんだ?」


「うーんとね。コレは、私ではない私が、滅びゆく人類に与える慈悲そのもの。コレを使って打開できなければ、人類が絶滅するわ?」


「そんな、すごいものなのか。」


「えぇ。私は本体が暇つぶしに他の世界を見るために流してる分霊だけど、気が変わったわ。協力してあげる。この世界の人類は、滅びさせないわ。」


「・・・で、結局ソレは何ができるんだ?」

感想大歓迎です。

☆やいいねをよろしくお願いします。特に☆は1でもいいので何卒・・・

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ