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皇配に相談! #01

 




 息を切らしたレイチェルちゃんの話を俺なりに解釈すると、俺を探してまず庭園に行き、この猛暑の中、重いドレスを引きずってあの広い庭園をくまなく探し、途方に暮れていた所を庭師が心配して声をかけて、俺が今日お菓子を作ることを聞いて、2時間外で悩んでから来たらしい。



 なんというか、………ものすごく申し訳なくなった。



 「ごめんね、気づかなくて………」



 「いっ、いいえ!私が突然押しかけたようなもので!ほんとお気になさらず!」



 冷たいフルーツジュースのお陰か、さっきよりも声にハリがある。本当によかった、レイチェルちゃんの綺麗な声がカスカスになるのを避けられた…………ん?




 ふと、気づいた。




 「私を探していた、ということは何か用事があったのかい?」



 「あぅ………そ、それは………」



 レイチェルちゃんはやっと赤みが引いたのにまた赤くなった。………レイチェルちゃんが相談に来るなんて珍しくて、少しだけ嬉しくなる。いや、レイチェルちゃんが悩むことをいい事だとは言わないけど!



 そうは思ってもにやけてしまう俺は、言葉を紡いだ。



 「レイチェルちゃん、………聞かせてくれないか?」



 「う、その、………話せば長くなるんですけど………」



 「じゃあ、おはぎを食べながら話して」



 俺がおはぎを差し出すと、レイチェルちゃんは「ありがとうございます」と頭を下げてから、重い口を開いた。





 * * *




 「…………そうだったのか」



 セオドア様は呟くようにそう言った。

 私は怖くてセオドア様の顔を見れなくなっていた。



 ………私は、全部話した。いつか話さなければならないことだと言うのもあったけど、前に進む為には向き合わないといけない、って思ったから。



 私が冒した罪を。………『化け物』たる所以を。その上で、アドラオテル様に去年夏祭りに行きたいと言われたこと、どうすればいいのかわからないこと………言葉にすると不思議で、改めて自分が最低なのを実感した。



 「話してくれてありがとう。………辛い思いをしてきたんだね」



 「そんなこと、………私が化け物だから悪いのです」



 「違う」



 セオドア様はかちゃり、と持っていたティーカップを置いて、真剣な顔で私を見た。やっぱりどことなくアドラオテル様に似ているセオドア様は、アドラオテル様のように優しく、諭すように言ってくださった。



 「………人を傷つけていい理由なんてない。それはわかっているけど、それでもレイチェルちゃんは大事なピョンコちゃんを目の前で亡くして苦しかったのだろう、悲しかったのだろう。



 だから許される、というわけではないが……それでも、少なくとも私がこうして話しているレイチェルちゃんは化け物なんかじゃ絶対ない。………アドはこのことを知っているのかい?」




 優しい言葉。慰めるような語彙に涙が出た。私は涙を拭いながら首を縦に振った。アドラオテル様はそれを知った上で手を取って下さったのだから。



 セオドア様はふ、と笑った。




 「なら、私が何か言うのは違う。アドが選んだんだからね。………だから、もう自分を責めないで」



 「っ、う…………」



 その言葉に、頷くことは出来なかった。化け物じゃない、とアドラオテル様に言われてそう思わないようにしているけど、上手くいかないのだ。未だにその言葉が怖い。



 そんな私を見て、セオドア様は「そっか」と悲しげな顔をした。








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