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鑑賞会=コンサート!? #06

 






 「どこですかここは!?」



 俺は大声を上げた。360度、沢山の席がある大きな会場。眩しいスポットライト。………どこからどうみてもユートピアどころか前世の日本ですらない。慌てふためく俺に、アルティア様が言った。




 「じゃーん、コルーンにある『ヒマワリ・スタジアム』でーす!驚いた?みんな?」



 「驚くに決まってるじゃないですか!なんでさらっと異世界に来ているんですか!?」



 「それは私の発案なんだよね~」



 サシャはそう言ってくるくると防犯ブザーのような別次元装置を振り回している。



 「折角の孫のライブよ?それ相応のところでみたいな~ってなったから……買っちゃった☆」



 「かっ…………」




 言葉を失う。

 買った!?この大きなスタジアムを!?サクリファイス大帝国の国家予算でも足が出そうなこの会場を!?



 そんなとんでもないことを言うサシャ様とずっとキョロキョロしていたアルティア様がにこにこしながら言う。




 「これからチェルはサクリファイス皇族になるかもでしょ?ということは孤児院だって関わってくるわよね~。年に一度有名歌手を呼ぶって言ってたけど、ならここ貸しちゃえ、みたいな?


 勿論経営はクラウドだけど!」



 「クラウドさんお金に厳しいって言ってたもんね~、こんなの買って怒られなかったの?」



 「怒られて追い出されたけど、『チェルがヒマワリみたいな歌手になる!』って言ったら渋々許してくれたわ。ボコボコにされたけど☆」



 「…………」




 ダメだ。常々俺はサクリファイス皇族は滅茶苦茶だと思っていたけど、その上がいた…………。この2人をこのまま仲良しにさせてていいのか?世界滅ばない?



 そんな心配を他所に、アドラオテルだけが元気な声で叫ぶ。



 「おーーーー!凄いぞ!俺たちここで踊るのか!?かっけー!な、レイチェル!すふぃあ?で見てた会場だぞッ!」



 「あ、アドラオテル様、あの、その、………も、申し訳ございませんんんん………私のっ、大おばあちゃんがっ、滅茶苦茶でえええええ………!」



 「え!?全然怒ってないぞ!?」




 レイチェルちゃんはその場で土下座する。気持ちはわかった。やっぱり俺達は似たもの同士だ。




 そう実感した。





 * * *




『ヒマワリ・スタジアム』___それは、次元一と歌われた歌姫、ヒマワリ・ストライクの功績を称えて国が作ったスタジアムだ。コルーンの歌手はこのスタジアムに立つことを夢見て、マイクを手に取る。



 大好きなヒマワリおばあちゃんが歌っていたこの聖域で、沢山の歌手が血と涙を持ってやっと立つ聖地で、私が歌う。




 ____消えていなくなりたい。




 今ほどそう思ったことは無い。割り切れと言われても割り切れない。サシャ大おばあちゃんが来た時点で嫌な予感をしてたけど予想以上だ………。



 そんなことを思う私を他所に、話が進んでいく。



 「衣装は私が曲に合わせて変えるってことでおーけー?」



 「うん、そうして。レイチェルの最初の衣装だけCGで解ける感じに………ついでに必要なセットも………だから子供達は最前列じゃなくて真ん中くらいに………」



 「あっ、じゃあ俺は転移魔法で………」




 「…………」




 私の緊張なんてお構い無しに会話が進んでいく。いつの間にかアドラオテル様まで混ざってて………私は頑張って気持ちを切り替えることにした。




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