旅行はクルーズ船 #02
「あーーーーー疲れたーーーーーー」
プールと共に置いてあった露天風呂に家族で入りながらほう、と息を吐く。ユーリはきゃっきゃと泳いでいる。
「なんで疲れるのさ、パパはゲームしてないじゃん」
「あのなぁ、カジノは大人の遊び場だぞ?軽い気持ちで入っていい場所じゃないの。なあ、チェル」
「そうですよ、もうしちゃいけません」
「……でも、勝ったもん。負けてないもん。なんの損もないじゃん」
ルークはそう言ってぷく、と頬を膨らませた。それを見ると怒る気も失せて頭を撫でた。
「……まあ、凄かったよ。大人相手によく勝ち続けたな」
「……!うん、俺、誰にも負けないもん。当然だよね。
だって、パパとママの子供だもん」
「ふふっ、でも、負けてもルークはママとパパの子供ですよ?」
「俺はー?」
「ユーリもに決まってるだろ。お前らは俺の自慢だ」
「へへへっ」
「………ふんっ」
「お前ら最高だぞーっ!」
「わあっ!父さんくるしーっ!」
「熱苦しいからやめてよ!」
俺はじたばたと暴れる子供達を纏めて抱き締めた。そして、レイチェルと顔を合わせて笑顔を交換しあった。
まあ、色々あったけど、今回もいい旅行ってことで。
* * *
おまけ - 無名家族 × サシャ
「………」
「………」
レイチェルとアドラオテルは固まっていた。目の前にある雑誌にはデカデカと『カジノ界の超新星!』と書かれている。そして、その言葉と一緒にルークの写真も貼り付けられている。向かいのソファに座るサシャはニコニコしている。
「いやー、流石私の子孫だと思わない?勝負師なんだよね~、私達って。シンノスケもカジノでばかすか稼いでたし。私達ってもしやラッキー家族?いやぁ~困ったもんだよねえ」
「………お前は負けてばっかりじゃないか」
「ぐっ、そ、それはパチンコだし………」
「………どうしましょう………ルークの顔がこんなに大きく………」
オロオロするレイチェルを他所に、ユーリとルークは嬉嬉として話す。
「ルーク!見て!有名人だよーっ!」
「………写真はNGって言っとけばよかった……いやでも、知名度的にはいいのか?しかしカジノだとな………。
サシャ、何でも屋の依頼をしたいんだけど。これ、差し押さえしてくれる?言い値で依頼料は払う」
「待ってました~!明日には次元中からこの写真は消えるから、雑誌は記念にあげる!
まいどあり~」
「………」
「………」
賢いのはルークで、ずる賢いのはサシャだな、と夫婦は思ったのでした。
◇
おまけ - アドラオテル × 孫馬鹿
「アドっ!」
「アドくんっ!」
「「これはどういうこと(だ)!?」」
突然ブルーアイズに来たセオドアとショーカはバン!と机に例の雑誌を叩き付けた。そして、捲し立てる。
「何故ルークにカジノで新生なんだ!?」
「なんで孫がパチスロ雑誌に載ってるの!?」
「大体っ、まだ6歳なのにカジノに行かせるなんてどうかしてるっ!少しは考えなさいっ!」
「そーよそーよっ!ギャンブルなんてろくなことがないんだからこどもにやらせるべきじゃないでしょ!?」
「「どう責任を取るんだっ!!!!」」
「………ここ、職場なんだけど。ていうか帰れ暇人共」
「「話を聞きなさい!」」
「はぁ~~~………………」
この後一日掛けてこってり絞られたアドラオテルだった。




