『結婚、しようか?』
「こ、こんにちは………」
「こんにちは。………家族と来ていたのですね、挨拶が遅れて申し訳ございません」
「あら~いいのよぅ、ご丁寧に~」
「う、うちの祖父母にまで挨拶しなくても………」
「それはなりません。マナーなので」
「あ、ありがとうございます、すみません…………」
そこまで話して、静寂が流れる。
………アドラオテル様に次いでヨウ様にまでバレるなんて………とんでもない修羅場だ…………。
◇
祖父母の心「さっきの皇子に次いでイケメンと話してる………曾孫にモテ期、来た!?」
とてつもない認識のズレ が生まれた!▽
◇
「どうしようクラウド。もしかしたらどちらかが未来の家族かもよ?今学校ではチェルを取り合う男の争いが引き起こされていたりして………」
「………ふん、まだ男女交際など認めん」
「でもねえクラウド。親子ほどの年の差ある相手やら、ザ・ヒモ男よりはマシでしょう?」
「その引き合いはずるいぞサシャ!」
「人生3度はモテ期が来ると言うけど、チェルは今モテ期が来てるのかもね~」
「今何回目だ!?」
「初回だわ」
「あと2回も!?」
わいのわいの話す祖父母を見て絶望する。これは………カオスだ。カオスすぎる。大おばあちゃんが余計なことを言い出す前に帰らなければ………アドラオテル様やヨウくんに不快な思いをさせ___「そうとなれば、今すぐ結婚だね」……は?
耳を疑った。顔を上げると___大おばあちゃんの笑顔が。
「結婚、しようか?」
「は……はぁぁぁぁぁぁあ!?な、何言って…………!」
「そうよね、サシャ」
「ばあちゃん!離せよ!」
「!」
不意に後ろから声がして振り返る。そこには____黒い魔力の縄で縛られたアドラオテル様。そして金色の魔力の縄で縛られる私。変わる視界。
私達は___豪華な建物に転移していた。もう頭はパニックだ。それはクラウド大おじいちゃんとアドラオテル様の祖父様も一緒で。
「サシャ!なんのつもりだ!?」
「アル!説明しろ!!!」
「ぎゃんぎゃん騒がないでよ。善は急げ、よ」
「そうそう。アドとレイチェルちゃん、結婚しようねー」
「あ、えっと、その、………」
「ばあちゃん!レイチェルを困らせるな!
一体なんなんだよ!これは!」
「それは」
「当然」
「「孫が欲しいからよ」」
「「…………」」
息のあった言葉に閉口する。そんな私達を他所に、大おばあちゃん達がにこにこしながら話し続ける。
「アドはね~、城に居たがらないから悩んでたのよ~。学校に好きな人が居たらそりゃ帰るなんて言わないわよね~」
「うちのチェルもよ~。一向にビビりが治らなくて………なら永久就職しちゃった方がいいわよね~。
ってことで、2人とも結婚認めるまで監禁ってことで。クラウド~、行くわよ~」
「無茶苦茶だ!俺は反対だぞ!」
「後は若い子に~、ラフェーも行くよ~」
「アル!巫山戯るな!私は___」
「___!」
アドラオテル様の祖父様が言い終わる前に全員消えた。豪華な部屋に私とアドラオテル様だけが残る。
た、誕生日に私は何をされているの…………?滅茶苦茶過ぎて頭がついていかない。涙まで出てきた。何これ。
「っ、………」
「…………レイチェル、ごめん」
「………え?」
ぽつり、アドラオテル様が謝った。
私はよくわからず、首をかしげてしまう。アドラオテル様はギチギチと黒の縄を身体で押しながら言葉を紡ぐ。
「俺のばあちゃんが滅茶苦茶で…………嫌な思い、したろ」
「………いいえ、私が怒りたいのは………サシャ大おばあちゃんで………アドラオテル様、ごめんなさい。私があのお好み焼き屋に行ったから………」
「それはレイチェルが悪いわけじゃないだろ。…………だめだ、大人は理不尽すぎる」
「………同感、です。ですが、私の大おばあちゃんは一族で1番強くて………大おじいちゃんしか、勝てないのです。それも怪しくて………大おじいちゃんは大おばあちゃんに弱いから………」
「………俺のばあちゃんも似たようなもんだ。多分、結婚を認めるまで俺達はここに監禁されるだろう。
そこで、だ。レイチェル___俺と婚約を結んでくれないか?」
「______え」




