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6  迫る危機

主人公不在になります(2~3話)

A(アサシン)R(レッド)S(スパイダー)頭領 視点~


 親父は元キャトラス宇宙軍の戦闘機乗りだったらしい。

 士官学校卒業後、20年勤めたと言っていた。

 そのかいがあって、勤続18年で59名の部下を抱える、飛行大隊長に抜擢されたと、何度も、自慢気に語っていた。

 しかし、何十年だったか前の第五次第三宙域争奪大戦で、通信官の故意の伝達ミスにより部隊は孤立。

 奮闘も虚しく、部隊は壊滅。

 軍に嫌気がさし、生き残りを集め、戦闘後の混乱に乗じてそのまま、軍を抜けた。

 と、酒に酔った時は愚痴るように、こぼしていた。

 その後は、フリーの傭兵団として開拓団の用心棒をいくつか担い、その時出会った雌、まぁ、俺のお袋だな。

とくっついた、ってわけだ。

 俺が産まれてからは、傭兵稼業は引退して小惑星での資源採掘業に携わり、細々とした暮らしを支えていた。

 転機は、俺が14の頃。

 親父が運搬機の事故で死んで半年。

 スクラップ回収の仕事をしていた頃、町に戦闘行方不明者の捜索員がやって来た。

 軍に良い感情を持っていなかった親父の元部下達とトラブルを起こし、戦闘に発展。

 新鋭機相手に何人かの犠牲を出しつつ、4人全員を殺した。

 別に、俺自身は軍になんとも思っちゃいなかったが、この時に得た、軍用機のスクラップはマーケットで高値で売れた。

 それからは、親父の元部下にその息子と「アサシンレッドスパイダー」を結成。

 稼業に勤しんできた。

 今や、戦闘母艦にマーケットに流れて来た軍の旧式戦闘機を8機所有する、そこそこの規模へと成長した。

 この前は、不意の遭遇で、貴重な対艦ミサイルを一発消費したが、運が良い。

 目の前の仕事に成功したら、大儲けだ。

「さあ、お前たちの命はいくらになる?」

















~ビルフィッシュ ブリッジ フリッター視点~


「不審船より総数8の物体の射出を確認!

 パルス反応有り。

 データベースに照会します。

 ………。

 これはっ!」


 解析官が言葉を詰まらせる。


「どうした!

 早く報告しろ!」


「合致したデータは我が軍の旧式攻撃機(アタッカー)です!」


「何だと!?」


 あり得ない報告に、思わず聞き返す。

 旧式と言えど、軍用機である。

 本来であれば、練習機等に改装され運用されるか、分解(オーバーホール)され、各部品が再利用されるかである。

 また、部品の一つ一つに関しても、武装、装甲、制御機器は特に管理され、出回ることなど無いはずなのだ。

 しかし、現には戦乱の影響で管理しきれていないものが稀に裏で出回る。

 希少品な為、どの部品であってもかなりの高額であり、完全な状態であれば軍の最新鋭機とほぼ同等の値段で取引される。


「相当やり慣れているか。

 ガード各機!

 相手はやり手だ!

 注意してかかれ!」


 目を閉じて天井を仰ぎ、覚悟を決める。








~シールド隊 ガーディアン1視点~


『で、どうする。

 リーダー?』


 ビルフィッシュからの通信後、ガーディアン2が問う。


「相手が射って来たら即、ミサイルで数を減らす。

 後は適当に追い散らせば逃げてくさ。」


 照会したデータは、向こうの機体は「ミサイルボート」として、戦闘機乗りの間では有名な機体であることを示している。

 一見、普通に思えるこの呼称だが、この機体が旧式として戦場から姿を消す事になる理由を揶揄している。

 この機体は、従来機から性能を落とさず、高い拡張性と、整備の容易さから、次代の主力として約300機が先行でロールアウトした。

 使い勝手のよい機体として、評価を受け、正式な配備が決定した。

 しかし、本格生産が始まる直前に勃発した第六次第八宙域争奪大戦で、固定武装の火力不足が露呈。

 機体バランスと出力の問題から従来機より小型になっていた事が原因であった。

 この機体が配備されていた部隊は、急遽、全機重爆装備に換装。

 ミサイルを射ち切っては、帰投を繰り返した。

 継戦能力の低さと、利点である高い拡張性が装備の固定により無駄になる事、また、機動力が低下する事を理由に生産計画は中止。

 後は、知っての通りだ。

 これが、自分たちの余裕の根拠であり、どこか真剣味に欠けてしまう理由でもある。


「さて、そろそろ射程内だ。

 墜とされるなよ!」


『了解!』

『おう!』










『ピッ』

『間抜け野郎が』





ボッ!!



















~ビルフィッシュ ブリッジ~


『………ゴォゥ!

 ザーーーーーーーー』


「………。

 ガード1、通信途絶。

 反応ロストしました。」

 














 状況は悪化の一途をたどり始める。


 

読んでいただきありがとうございます

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